島のアンのメモ : 2章
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島のアン:2章のメモ
- Garlands of Autumn
- このタイトルは何を意味しているのだろうか?
garlandは冠で、特に花や葉で作られたもの
[リーダーズ+]
[Webster1913]
[Amer. Heritage Dic.]
だが、花冠なら秋より春が似合いそうである。
大学に行くことになったアンとギルバートに与えられた、季節外れの栄光の花冠?
エピソード中に森の玉座(a woodland throne)があるので、
garlandはアンとギルという女王と王がかぶる王冠でもあるのか?
- it was strongly suspected that the Pye girls would have nothing
to do with the affair if their offer of the house for the party was not accepted
-
パイ家の娘達はどんなことがあっても、このパーティーに関与したかったのだろう。
たぶん村の若者の中でも注目されているパーティーなので。
だから普段より愛想が良かったのだと思う。
- Josie suspected that Anne was laughing at her behind those wicked eyes
- 結局ジョージーがアンを嫌っていた理由は、アンが秘かに自分を馬鹿にしているのではという、
被害者意識のためだったということ。
実際、小学校時代にアンがあからさまにジョージーを非難したこともあったので、
あながち外れではないのだが、ちょっと被害妄想っぽい。
その意味でジョージーは、負の想像力に恵まれていたことになる。
かつて、アンがバリー家の屋根から落ちて震え上がった経験のあるジョージーとしては、
何もかもアンが悪いと無意識に(?)責任転嫁してきたのだろうか。
それに、アンが成績優秀、美人ではないが魅力的、クラスの女の子に人気があり、
ギルバートにもチャーリーにも(笑)もてるというので、
劣等感を抱いていたことも一因だろう。
AGG(J):30章
では、ジョージーは教養のために大学に行くつもりだったが、実際に大学に行ったのはアンだった。
ジョージーとしては自分が行けないのに、と思う気持ちもあったのだろう。
お互いに理解できるチャンスがあったなら、
アンとジョージーは意外に良い友達(ミス・ジョセフィン・バリーとのように)
になれたのではないだろうか?
実は秘かに馬鹿にされていると感じるのはマシューも一緒(
AGG(J):2章
)。もちろんマシューの場合、馬鹿にされていると思っている相手は、世の女性一般。
マシューが思っているだけでなく、どうも実際そうらしいので救われない。
- full of mirth and zest and youthful lightheartedness
- その最たる者であり、後に唯一の例外となるのがルビー・ギリス。
- her father would not allow Oliver Kimball to come near the place
- choosing that place[the home of Josie Pye], partly because...
とあるので、たぶんthe placeはパーティー会場だろう。
- mistake of saying something sentimental to her
- LMMの日記
[日記(E)1]
を読むと、sentimentalという言葉で嫌悪感を表わす場合が多いように感じる。
例えば、危険な「愛の告白」シーンはsentimental。
「告白」自体がsentimentalなのでは無く、自分はその気じゃないのに、
相手だけが雰囲気を出しているから。
似たようなシーンなのに、Herman Leardとの場合はsentimentalとは書かれていない。
「告白」シーンに良く出てくる言葉には、"sentimental"の他に"danger/dangerous"がある。
- ambition had gone out like a snuffed candle
- AGG 4章
と比較。
"as if some one had clapped an extinguisher on her"
- anathema maranatha
- 破門の強意形
[リーダーズ+]
。中世においては教会から破門されると、事実上生きていけなくなる。
働き口がない、何があっても保護されない、死んでも教会の墓地に埋めてもらえない。
今でいうと国外追放で砂漠に放りだされるようなものかもしれない。
- But around them a little wind sang among
the fir tassels, and in it there was the note of autumn.
- この前で既に"autumn air"を使っていて、秋なのは分かっているはずだが、
改めてここで秋の季節の説明をしている。LMMの設計ミスか?
- This wood really is haunted now -- by old memories
- Haunted Woodが「お化けの森」ではいけない理由の1つ。
でも、「この森は今や本当にお化けに取り憑かれているのよ -- 昔の思い出というお化けにね」でも十分?
- The fatal apple of Eden couldn't have had a rarer flavor
- このシーンは、エデンの園で知恵の実を食べたアダムとイブが背景にあるが、
リンゴをとったのはアダムならぬギルバート。
ギルバートは誘惑者である蛇の役なのだろうか?
それとも特に意味はなし?
ただ、二人で知恵の実を食べたからといって、ここでアンがギルバートに対する見方を変えたわけでもなく、
ギルバートが一歩踏みだせたわけでもない。
- Let's go back around the marsh and home by way of Lover's Lane.
- さりげなく恋人小径を通ってと言っているが、もちろんギルバートは狙って言ったはず。
きっとアンも分かっていたのだろう。すぐ話題が変わったし、この程度は許容範囲なのか?
"Lover's"と恋人が単数なのだが、あるいは"Lover"はギルバートのこと?
単数のloverは普通男の方を指す
[リーダーズ+]
のだそうである。
- manna
-
エジプト脱出の時、荒野でイスラエルの民に神が与えたパン
[出エジプト記,016:031-032]
。
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osawa@物語倶楽部
更新日:2004/12/31