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目次
自由行動日とは言っても、以前じっくり見たルーブルとオルセーに行って土産を買うだけなのだが、とにかく朝早く起きてホテルで朝食を済ませる。
ホテルのすぐ前ににメトロの GALLIENI 駅の入口とパスターミナルがあり、
乗物の案内所兼切符売の窓口もあって、
用意しておいたフランス語のメモを渡し、
Mobilis とカルト・ミュゼー(美術館と博物館の共通入場券)を3人分購入する。
しかし「何日有効の」というのをフランス語で作文し忘れたので、
インフォメーションのオヤジさんから、 "One day, Two days, Three days?" と確認され、 "One day" と答えて発券してもらう。
ルーブルとオルセーに行くだけだが、元は取れるとは言え、
3人分払うと結構なお金になる。
交通に関しては、予定では地下鉄に3回乗るだけなので、
一日乗車券を買うよりカルネ(回数券)を買う方が安い(2枚余ったら私がエッフェル塔に行けばピッタリ)のだが、
数百円の費用を節約するためにパリまで来たわけではないので、
後で記念にもなると思って Mobilis にした。
ホテルが ZONE 3 に位置しているので、必然的に Mobilis も ZONE 1-3 用で42フランになる。
カルネなら、パリ市内ならゾーンは気にせず1回1枚で乗れる。
Mobilis の場合は、ゾーンが広いと値段が高くなるので、
行動予定を良く考えないと無駄に高くついたり、
逆にゾーンが行動範囲より狭過ぎると乗れなかったりするので選び方が難しい。
パリ市の交通局は、旅行者には「パリ・ヴィジット」の方を勧めているが、
これだと ZONE 1-3 用で55フランである。
バス1本でルーブルに行けるのだが、親の希望でメトロに乗った。
いざルーブルへ
GALLIENI 駅で3番線に乗り、 Opera 駅で7番線に乗り換え、
Palais Royal Musee du Louvre で降りてルーブル美術館に直行。
図書館で「わがまま歩き パリ」というガイドブックを借りて地下鉄の乗り方を調べ、
インターネットで路線図を手に入れて印字してあるので、
迷わずにパリの地下鉄が利用できた。
9時前に着き、入場者の列に並ぶ。
しかし9時になっても時間通り開館しないのはラテン気質と言うべきか。
カルト・ミュゼーを見せて入場し、
目当てのリシュリュー翼の3階のルーベンスへ。
ルーブルも午後になると大変な混み様だが、
午前9時と同時に入ればガラ空きである。
何とルーベンスのホールに誰も居ない!
この、体育館並の広さの展示室に来ているのは私達だけであった。
昨日とは異なり、マイペースでゆっくりと見て回り、
歩き疲れたら座って絵を観賞する。
トイレにも気兼ね無く行ける。
しかし2時間歩くと、結構疲れる。
お腹も空いてきたので、ルーブルを出て、
サマリテーヌへ行く途中で見つけた中華料理店で昼食をし、
両替もしてサマリテーヌへ下見に行く。
サマリテーヌの下見
ここはルーブルのすぐ近くにある庶民向けのデパートで、
ファッションのフロアもあるが、
地下の食料品売場で職場への土産を買おうと計画していた。
母に ASA400 のフィルムを2本買った。34フランだから安い。
それにここはエビアンがメチャクチャ安い。
ホテルの自販機では8フランで500mlだが、
ここでは3フランも出せば2リットル買える。
菓子類も土産物屋の奇麗な箱入りの物とは違って10分の1位の値段だ。
もちろん、見た目も安そうだが、
どうせ包装紙はゴミ箱に行くのだから一緒である。
もっとも、ここは本来は旅行者が来る場所ではないので、
言葉ができない等の理由で、あまりに店員に手間をかけさせるのは迷惑であろう。
そういう人は日本語の通じる土産物屋に行くべきである。
セーヌ川沿いの道
サマリテーヌで今、買い物をしても荷物になるだけなので下見にとどめ、
対岸のオルセー美術館に向かう。
セーヌ川沿いをちょっと歩く。川沿いには車道があるが、
川岸近くにも歩道がある。
階段を降りて、セーヌ川がすぐ近くに見える散歩道を歩こうかと提案したが、
広いルーブルを2時間以上見て回った両親は、
「(階段は降りずに)まっすぐ行くから、お前は行きな」との返事だった。
「あまり両親を歩かせる訳には行かないなぁ。
オルセー美術館でも、相当歩く事になるけど」と思った。
オルセーの裏技入場
「わがまま歩き パリ」というガイドブックに載っていたのだが、
オルセー美術館のメインの入口とは別に、
オルセー美術館の隅にある本屋の奥にも小さな入口があって、
ここから入る人は少ないとの事。
行ってみると、その通りに入口があって、係員が1人いる。
カルト・ミュゼーを持っている私達は入場券を買う必要はない。
見せるだけで、全く並ばずに入場できたのでびっくりした。
ここにもルーブルから移ってきた絵画を含め、
XXXX(後で調べて書く)XXXXXX
がある。
しかし、見ているうちに私の方がバテてしまい、
両親に「ねぇ、休もうよ」と言っている有り様。
私ももう若くないかな (^^;
オルセーも観賞を終え、本屋で母の土産を買った。
JCBのカードはここでも使えなかった。
私は絵葉書だけ買った。
ここに日本女性4人が来ていて、母に声をかけた。
入口ですごく並んでいたとの事で、
時間が無いので入場を断念するとの事。
気の毒に思い、いっその事カルト・ミュゼーをあげようかと思ったが、
こちらは3人なので3枚しか無いので、話は持ち出さなかった。
RER 恐怖体験
ルーブルで2時間半、オルセーで2時間歩かせたので、
またサマリテーヌまで歩いて戻らせるのはちょっと気が引けた。
タクシーを使う程の距離ではないというのもミソなのだが。
最初考えていたのは、オルセー美術館始発の73番のバスでコンコルド広場まで行き、
そこで72番のバスに乗り換えて Pont Neuf に行こうと思ったのだが、
なにせオルセー美術館自体、非常に大きいので、
「オルセー美術館始発の72番のバス停はどこだ」と探していても、
運行系統の違うバス停しか見つからない。
それで親の指示を受け、地下鉄に乗る事にしたが、私は気が進まなかった。なぜなら
- 景色が見えない
- 距離の割に2度も乗換が必要で、すごい大回りで時間がかかる
- 治安が悪いと聞いている RER に乗る必要がある
ガイドブックには、かつてテロも起きた、夜に乗るのは危険とある RER だが、
昼までも十分に治安が悪い所である。
よくここまで汚らしくできる物だと呆れるほどよごれが染み着いたプラットホームはゴミの吹き溜りとなっている。
誰がどう見ても「ここはヤバい!」と一瞬で分かるような場所である。
さて、オルセーからサマリテーヌに RER 経由の地下鉄で行くなんて事前に想定していなかったので、乗るべき方角を間違えた事に気がついた。
しかしバインダーの中の地下鉄路線図を見て、すぐに別ルートを考える。
Invalides から8番に乗り換えた。RER に比べると、地下鉄はずっと安全に思える。
とはいえ、スリが多いと書いてある Opera 駅で乗り換えなので注意して7番線に乗り、
Pont Neuf に行った。
距離的にはちょっと遠いかもしれないが、
サンミッシェルで4番、シャトレで7番というのより、駅の乗換が楽だったかも知れない。
まあ、いいか。
サマリテーヌでショッピング
ショッピングは、非常に時間がかかった。
私は、さっさと決めて購入してホテルに戻りたかったのだが、
まるでここが観光地の様に商品を見るのに時間がかかっている。
どうにか食料品を買い込み、ホテルに戻って部屋で食べた。
夕食は3人で60フランで済んだ。
出発
再びレセプションで毛布の件で文句を言ったが、
「ランドリー部門はもう closed だ、私達には何もできない」との返事。
まるで、役人の様な態度だ。どうせ給料には関係しないので、
口先で客をあしらえば何もしなくて済むので楽だとでも思っているようだ。
これがフランス人気質というものだろうか。
ここの人間を相手に言うだけ無駄だと思って諦めた。
父と母は、
ホテルを名乗っているのに、寒いので毛布を1枚づつくださいという客の要望すらかなえられないという状況を納得しようとしない。
そんな事は絶対にあり得ないので、私の言い方が悪いのだろう、
もっと交渉せよといった感じである。
そこで、悪いとは思ったが、添乗員さんに振った。
ユースホステルでも大抵毛布は予備があるし、受け付けの態度がここまで悪い所は滅多に無い。
やっとこれで自分のために観光できる。
パスポートもクレジットカードもホテルに置いて来た。
持っているのは、ガイドブックとバインダーとデジカメと Mibilis、それに200フランだけ。
身軽になって盗まれる物も無いと、スリを警戒する必要も無いため、心も軽くなる。
路線バスに挑戦
食事が済み、1人でエッフェル塔を見に行く。
夜なので、安全性の高い路線バスに挑戦した。
ホテルの前のパスターミナルから76番に乗れば Louvre Rivioli まで一本である。
終点で運転手に降りる様に言われて、降り際に69番のバス乗り場の場所を教えてもらう。
ちょっと迷ったが、運転手の言う通りにバス停があった。
昨日来た日本語の通じる土産物屋の近くだ。
地元の人を見ていると、
バス停には複数のバスが来るので、
自分の乗るバスが来たら手を上げてバスを止めるのだ。
バス停に書かれた路線図を見ていると、
行きと帰りでルートが違うなど、
インターネットで調べたバスの路線図とは幾らか違っている。
事前に調べた運行系統よりも多くのバスが走っていたりするので、
最終的には現地で確認しないと駄目である。
確かに旅行者には難しい。
しかし、なかなかバスが来ないなと思っていたら、
親切にも女の人が声をかけてくれ、
バスはもう終りだと教えてくれた。
今は午後 9:30 なのだが、結局地下鉄で行く事になり、
路線バス挑戦は、あえなく「乗りこなせなかった」という結果に終った。
エッフェル塔
地下鉄だと Trocadero からちょっと歩く事になるが、
まあそれほどの距離でもない。
昨日、写真撮影のために10分だげ来た Trocadero 宮殿に、再び来た。
せっかく来たのだから、
エッフェル塔にリフトで上がってそこからパリの夜景を見ようと思ったが、
入場待ちの列が長く、
私もリフトの順番を待っていたが、
ホテルに戻るのが遅くなりそうなので、目前にして断念し、列を離れる。
もっとも、エッフェル塔からの夜景をコースに組み入れている日本のツアーもあった。
これはなかなか良いアイディアだと思った。
地下鉄の駅に帰る道すがらのセーヌ川の周り、および、川辺に浮かぶ舟に灯がともり、
奇麗な夜景である。辺りはまだ薄暗い程度であるが。
「もう少し、ゆっくり観光したかったな」と思った。
時刻が10時になった。すると、エッフェル塔がイルミネーションの様に点灯した。
まるで花火のようだ。ああ、奇麗だな。
そして私は思った。
「ツアーも悪い点ばかりじゃないけど、
やはり行きたい所に行って見たい物を見る方が私はいいや」
ホテルに帰る。スリが多いと書かれている地下鉄ではあるが、
地元の会社帰りの人や、女性なども乗っているのを見ると、それほど危険は感じなくなっていた。それに、盗られる物も無いしね。
ホテルには11時前に着いた。今日は洗濯はしない。
Last modified Date: 2001-07-21 15:02:09+09
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