次へ前へ目次

早朝からメールでこんにちは

絵はがきを出す以外に、メールも出す。 外国から葉書を出すのは大変だし、 短期間の旅行なので自分が帰国した後で葉書が相手に届くというのもイマイチなので、 電子メールで通じる人にはメールで挨拶を送る。 旅先からメールを出した事は以前にもあったが、 以前とは違って携帯電話のメールで受信する人が増えた。 パソコンのメールなら、好きな時に出して好きな時に読んでもらえばいいが、 相手が携帯電話のメールだと、届くと着信音が鳴って即座に通知される。 相手を夜中に起こしては迷惑だから、日本との時差を考えないといけない。 腕時計のデュアルタイムを見れば日本時間が分かるのだが、 ツアーの行動に合わせるとなると昼間にサイバーキャッフェに寄るのはとても無理だし、 夜出せば相手に早朝に届いて迷惑、となると、 消去法でこちらが早朝に出すしかない。 これなら相手の昼休み頃に着く。

ホテルのフロントの前にコイン式のパソコンがある。 朝5時であるにも関わらず、 使っている若者がいる。 何と物好きな事よ。 (もっとも、私も次に使うのだが)
料金は2フランで3分。5フランなら10分。 3通出すのだが、「よし、速攻で3分で片付けるか」と挑戦した。 フロントで20フランコインを替えてもらい、 硬貨を機械に放り込む。 キーボードを見てびっくり。Yの位置が違うのだ。 ちょっと動揺する。 職場には Yahoo! USA で、友人には Openbit.net から出すという事もあって、 3通は出しきれなかった。 やむなくさらに2フランを投資。

ううむ、、、やはり英語で4通を3分で出す(実は日本でだいたいの文章は考えてあったのだが)のは無理か。 4フランかかったから、1通90円という計算になる。 ちょっと高いメールになった。

それにしても、ホステルなどでは宿泊客が使えるPCがあって、 これでメールが送受信できるというのはもはや常識となりつつある。 しかし ツアーで泊まったホテルでコイン式のインターネット端末があったのは結局ここだけだった。 客層からいって、ビジネス客なら自分のノートPCを持っているのか、 それとも、若い旅行者のようにPC端末でメールを送受する人が少ないのだろうか。 すごく不便である。 (スイスの山の麓のホテルにはあって、都会のホテルには無いというのも不思議である) もっとも、ヨーロッパで添乗員をやるなら、 ノートPCとGSMの携帯でもあれば非常に強力な道具になるなと思った。

朝食は味噌汁や緑茶があった。 私は大概、「外国に来たのだから、現地の料理を食べる。 外国に来てわざわざ日本食なんて」という主義だったのだが、 並んでいるとついそちらにも手が伸びる。 何とも弱気な物だ。 (もっとも、ソーセージも美味しかった) それにしても日本人の扱いに慣れたホテルである。 現に、他の日本人ツアーも来ていた。

今日はユングフラウに行く。千円で買ったセーターと、五百円で買ったウィンドウブレーカーを着込む。 バスでグリンデンバルトの駅へ。 添乗員さんが切符を準備しに行っている間、 日本人の土産物店の営業さんが近付いてきて、 「添乗員さんですか?」と私に聞く。 「違います」と言っても、なぜか彼女は私が添乗員だと思い込んでいるようだ。 不思議に思ったので「営業の人ですか?」と聞き、 添乗員さんが来たら教えてあげるから、と言う。

どうやら添乗員が客を店に紹介すると、 リベートがもらえる仕組みらしい。 もっとも、私達のツアーの添乗員さんはリベート目的で客を店に連れていく事はしなかったが、 他のツアーではどうだか判らない。 それに、添乗員にはそのつもりが無くても、 現地のガイドが土産物店に連れていく事が有る。 そして、添乗員には、 ガイドが誰になるのかまでは事前には把握できる物ではないようだ。

後で解った事だが、土産物店の営業さんが私を添乗員だと思い込んだ理由だが、

  1. バインダーを抱えていた。これは添乗員は必ず持っている物だが、 普通の旅行者が、他の荷物は持っていないのに。 バインダーをだけを持っているというのは極めて珍しい。
  2. 目立つ色のウィンドウブレーカーを着ていた。 添乗員も、人混みにまぎれてもツアー客から見つけられ易いようにするために 目立つ服を着る人が多い。
という事のようだ。

登山電車に乗る。 途中、クライネ・シャイデで降りる。写真屋がいて、バーナード犬と一緒に記念撮影。 本当はバーナード犬の隣に陣取り、 犬の首を抱いて(犬によってはこれをやるとびっくりするので、事前に確認しないといけないが)写真を撮ってもらいたかったが、 動物好きの他の人が先に座った。さすがに「どけ!」なんて言えないし。 (^^;
写真屋の兄ちゃんは「イチタスイチハー?」と声を掛け、 ツアー仲間が「2!」と答えると写真を撮った。ううむ・・・ 写真は帰りに買いたい人が買うらしい。 でも、犬の隣に並べなかったから買わない。

クライネ・シャイデからユングフラウヨッホ(ヨッホは駅という意味だが、 バンホフより小さい。停車場)を目指す。 トンネルの途中の Eigerwand (2865m) で10分程フォトストップ&トイレ休憩がある。 以前はトイレには水も出なかったらしいが、 最近はお湯も出るとの事。 もっとも、私はここではトイレには行かず、 次の Eismeer (3160m) で停まった時に行った。 ここは水が出ず、代わりに個装した濡れティッシューがあった。 う〜む、、、さすがにこの辺では水は貴重品らしい。 まあ、雪ならいっぱいあるのだが。

さて、ユングフラウヨッホに着いた。 降りて駅構内のトンネルをくぐったら、 鉄道員が「ここじゃない、あっちだ!」と言うので指示に従ったら、 ツアーの一向は散りじりになってしまった。 みんなが最初に歩いていた方向で正しかったのに、 なんで誤案内などするのだろう?大迷惑である。
とにかく展望室に集合し、ツアーリーダーから予定を告げられる。 葉書も出しておいてくれるとの事。ありがたい。 ウチの家族は7枚(私は5枚、母が2枚)出したので、「多いですね」とびっくりしていた。

さて、まず氷洞を見物に行く。中を歩くと、胸がズキッとする。来た、AMS だ!。 が、大した事は無さそうだ。少し歩いているうちに身体が順応してきたようだ。 しかし、高齢の父母が心配だったので、 ちょっと休もうよ提案し、展望室に戻る。 父は「オレはここで休んでいるから」と言った。何て勇気があるんだろう。 楽しみにしていたユングフラウに来て、展望室から出るのを断念するとは。 登頂直前で悪天候のため引き返す登山家の様な決断力には敬服した。 「ここから見る眺めも素晴らしいよ。ガラスが1枚あるかないかの差だけだから」と慰めて、 母と Plateau (高原) に行こうと思ったが、ちょっと判り難くて迷ってしまった。 結局、氷洞の中に Plateau への階段があった。

外に出ると、薄暗さに慣れた目がくらむ程の強い光、及び、雪の照り返しだった。 わぁ、ユングフラウの雪原だ!と喜んだ私は、 はしゃいで雪原を走り回り (私はたまたま高山病で倒れたりはしなかったが、 皆さんは絶対に真似しないようにお勧めします) 写真を撮った。 ああ、何と雄大な眺めなんだろう。晴れててラッキー! 眼下に厚い層雲が見えるというのも気に入った。ユングフラウは雲より高いのである。

   

ああ、もう集合時間だ。帰らないといけない。そこで展望室に集合する。 電車に乗る10分前だ。添乗員さんに、 「ちょっと、ツーリストインフォメーションに行って、(世界で一番高い所にある駅に来たという)証明証を貰いに行っていいですか」と聞くと、 「だめです」との事。まあ、しょうがないか。乗り遅れる訳に行かないし。

さて、帰りの電車に乗る。

クライネ・シャイデに戻った。食事はティーピー式のテントの中で、となった。 出たのはスープと、まずいソーセージと、パン一切れと、ジャガイモ。 ソーセージは、何だか肉に小麦粉を混ぜているらしく、グチョグチョになって、 わざわざ不味くしているような気がする。 どうせこの程度の料理なら、テントの中ではなく、 外で景色を見ながら食べたかったと言う意見もツアー客らから出て、 私も全く同感だった。

別オーダーの飲物だが、メニューが日本語である。 今回のツアーではどこに行っても日本語のメニューが出るなぁ・・・ さて、なぜか父が頼んだココアだけが来ない。 そこで私は "Flaulein!" とウエイトレスを呼び、 "My father ordered hot chocolate but not arrived yet" と、確かその様な事を言った。 しかし、ホットミルクが来たので、 "Excuse me, is this hot chocolate?" と言って、 ココアの粉を入れてもらう。 父も母も料理は全部は食べないので、私より先に土産物屋を見に行く。 「あの、絵葉書の所で待っているから」と母は言った。 私は近くの花畑で写真を撮る事にした。 カメラをマクロモードに設定して高山植物を撮影する。 時間が無いのでカメラの設定はそのままで駅に戻った。

   

駅でツアー仲間と合流した。添乗員さんによると、 さきほどの写真屋が、売れ残った写真を添乗員さんにくれたらしい。 (くれる事は滅多に無いそうです。 この次に来た時は、もっと買うようにツアー客に言ってくれという事だと思いますが) 1枚20フランとの事。さすがに高い。

登山電車は終点の Interlaken の1つ手前の Wilderswil で降りてバスへ。 そして土産物屋のある Interlaken Ost へ向かう。 ここで、添乗員さんから、これからジュネーブに向かうが、 ジュネーブでは朝早く起きて TGV に乗るので土産を買う時間は無いので、 スイスフランはなるべく残さないでくださいとの説明があった。

この土産物屋は高いと思った。 そこで外の通りに出て COOP を見つけた。 ここなら地元民が買いに来るだろう。 中の商品はやはり安い。 しかし私は、有料トイレだってあるかもしれないと思って、少しフランを残しておいた。

COOP を出て土産物屋に戻る。ここは日本語が通じるが、 COOP と同じ物が2割ほど高く売っている。 要するに、日本人相手の土産物屋というのは、 "当店で幾ら以上お買い上げ頂くと、外国人は消費税が免除されて7%お金が戻ります" と説明し、買い得であるかの様に思わせて、 沢山物を買わせるが、 実際は最初から相場より2割高い値段が付いているだけの話だと判った。 まあ、そりゃ、こんなに沢山に日本人従業員がゾロゾロ働いていて、 なお利益が出るわけだからねぇ。 いい商売だ。 2割増しで買うのは、英語も現地語も出来ない日本人が海外で日本語で土産を買うための手数料みたいな物だろう。

バスが停まっている所の前に広場がある。そこで休憩していたら、 雨が降ってきた。なんて幸運なんだろう。山で雨に降られずに済むとは。

バスに乗ってジュネーブへ向かう。車窓からレマン湖が見える。なかなかいい眺めである。 途中でトイレ休憩があった。 ここは小ぶりなデパートといった感じで、トイレは有料で20サンチーム。 小銭を残しておいて正解であった。 ここから湖を眺めた。不思議な事に、 この辺のスズメは人に慣れていて、 エサをやると、すぐ近くまで寄って来てかわいい。

ジュネーブはレマン湖の噴水。高さ130m。

Last modified Date: 2002/01/02 07:27:34


次へ前へ目次