雨宿りをしているうちに小降りになった。 が、道路を渡った途端、水溜りに足を突っ込んでしまい、 靴の中まで水が入る。 さて、ここで空港行きのバス停だと思った所が、ちょっと違っていて、 結果的にバスを何本か乗り過ごして時間を無駄にしてしまったが、 早めにホテルを出たので、まだ時間がある物と思っていた。
しかし、バスは40分以上乗るという事や、 空港では「駆け込み搭乗」はできないという事に気が回らなかった。 気が付いたら遅くなってしまい、 空港に着いたら出発40分前! どうしよう? まだ出国手続きもできていない。 ボーディングパスも無い。どこでチェックインするのだろうと探し回る。 ガイドブックを見ると、シェレメーチヴォ2は税関が先で、 チェックインはその次で、最後に出国手続きという順番なので、 ロビーをウロついてもチェックインカウンターはないとある。 そういえば、以前の時もそうだったっけ。もう、忘れたよ。
「これは乗り遅れる!」と青くなったが、仕方無く税関の列に並ぶ。 すると、血相を変えたアエロフロートの女性職員が 「東京に行く乗客が、今ごろ来た!」と言って、 さあ、すぐに行きなさいと言って一緒に税関をフリーパスで素通り。 あれぇ? 税関申告は? 荷物検査はしなくていいの? と思いましたが、彼女の顔は 「この、ドジ!」と怒り心頭の表情が見て取れました。 切符を見せてすぐにボーディングパスを発券してもらい (さすがに「禁煙の窓際をよろしく」とは恥ずかしくて要求できなかった) 出国手続きもすぐ済んで、 こうして走って飛行機の出発ゲートまでたどり着くのであった。
サンクトペテルブルクの公園で受けた荷物検査の方が、 ずっと厳しかった。空港では、入国時も出国時も、荷物の中さえ見なかった。 不思議である。
結局小さな成功(旅行者では簡単には行けないような場所に、地図を見ながら地下鉄やバスなどの地元の人が使うような交通機関を利用してに一発で行けた)が大きな失敗(飛行機に駆け込み搭乗)という結果につながった様にも思います。 やはり、5年も旅行していないから勘がにぶって駄目ですね。 時々旅行して、少しリハビリしないと。
幸い飛行機を待たせる結果にはならず、 日本人が結構大勢、搭乗を待っていた。 さて、機内ではシートベルト着用のサインが消えると、 すぐに乗務員に「席を換わっていいか」と聞き、窓際に座る。 もう離陸してしまっているので、雲の合間に小さくなった地上が見えるのみである。
わずか一週間のロシア滞在だったが、随分長く旅行した様に感じた。 ああ。ロシアが遠くなっていく。