次へ前へ目次     Last modified: Wed May 23 10:31:30 2001

両替して大金持ちに

朝早くから起きて、 昨日教わったレニングラーツカヤ駅で切符を売っている所を下見に行く。 そしてアメリカン・エクスプレスのオフィスに行って$200のT/Cを ルーブルに替える。4700ルーブルともなると、 札束の厚さは1cm程にもなり、突如「大金持ち」になった。 しかし、もらったレシートを見ても、さっぱり意味が判らない。 金額的には、大体予想どおりのルーブルを受け取ったので、 誤魔化されたとかそういう訳ではないのだが。 首をひねっていると受付の女性がわざわざ出てきて、 説明してくれた。 「このコード200というのは、米ドルを意味します」と言われても、 「アメリカン・エクスプレスが社内的に使っている通貨コードなんか、 どうして客が知っているのか」という気もしなくもない。 彼女はありがたい事に、 "No foreigner can understand Russian" と冷やかな言葉で説明を締めくくった。あのねぇ!

大金持ちになると、どうも気分が落ち着かない。 危険を避けるために、オフィスを出てスタスタと歩き、 コムソモーリスカヤ駅に行く。 インツーリストで切符を買う。私の下手な英語より、筆談の方が通じる。 やっぱり450ルーブルだった。

しかし、後日、 TGHの受付嬢の言っていた通り、 本当はこの値段では買えない方が正しい事が判明した。
ビザを見せると、名前やパスポート番号を電話で連絡している。 「2分待て」と言われて約15分後、切符が出来た。 トロリーバスの14番路線で TGH の近くまで行って降りる。 チェックアウトの時間の11時を少し過ぎてしまったが、 まあここは多少の融通は効く。 結局、切符は自力で安く買ったので、サンクト・ペテルブルクのユースの予約だけを頼む。

同室の人達から、安くていい店があると聞き、 昼を食べに地下鉄で赤の広場まで行く。 昨日のうっぷんを晴らすように、ケバブをパクついてビールも飲む。 すると、私がディスコに行かなかったのに、 ビールを0.5リットルも飲んだと驚いて、酒豪にされてしまった。 そうかなぁ?

ちょっと観光

キエフスカヤ駅から地図を見て舟着き場にたどり着き、 25Rでボートに乗る。どこまで乗っても25Rだ。 この値段でクルージングが出来るのだから、楽しい。 1時間ぐらいで、川からの光景も似たり寄ったりに思えたので、 ここがどこだか見当もつかないまま降りて、 これまた適当にトラムに乗って、 窓から市内見物でもするかと思ったが、 すぐに終点になって、ここは地下鉄の駅だった。 まだ時間があるので、ВДНXに行く。

地下鉄の駅を出るなり、とても賑やかな商店街だ。 クヴァスを飲んで、勢いでオスタンキノに行く。 ВДНXからバスに乗る。TV塔は、80Rだ。 いきなりカッサで「これを書け」と、ロシア語の用紙を渡される。 読めないので、名前とホテルの住所ぐらいしか書けなかったが、 ままよとタワーの入口に行ってビザとパスポートを見せ、 「ロシア語があまり判らないんですけれど」と言って用紙を渡すと、 「問題はありませんよ」と、通してくれた。 337mまで行くエレベーターで急上昇すると、 気圧が下がって耳が突っ張る。 さて、タワーの中は、床の一部がガラス張りになっていて、 その上を歩ける。足元から地上が見える。 なかなかスリリングで楽しい。 ロシア製のガラスの品質や、いかに?

トロリーを乗り継いでリーシスカヤに戻る。 ソ連時代や、5年前だと、 他の乗客から回数券を1枚売ってもらうというパターンが多かったが、 どうも、今度の旅行では乗客に「切符はありませんか?」と聞いても、 譲ってもらえない事が多い。定期で乗っている人が多いのか、 年金生活者は敬老パスでもあるのだろうか。 そこで、この機会に、バス停の前のキオスクに、 回数券はどこで買うのですかと聞いた。 「運転手から」というのが答えだった。

もっとも、運転手も回数券を置いていない事が多い
TGH に戻り、モスクワにもう少し滞在する彼とは別れ、 もう1人とレニングラーツカヤ駅まで行く。 トラムに乗ろうと提案したが、 夜遅くて本数も少ないので歩こうという事になった。 私は構わないが、彼は荷物が重くて大変そうに歩いていた。 駅に着く。彼はシベリア鉄道に乗っていたせいか、 的確に「あなたの列車は何番ホームから出る」と教えてくれた。

列車は4人掛けの狭いコンパートメントの上の段で、 落ちやしないかと心配になる。下は親子連れだった。 父親が上の段で寝たが、やはり狭いのか、 寝返りを打ってベッドから時折はみ出していた。 そこで、私は貴重品の入ったネックポーチを背中の下のシーツに敷き、 持参の洗濯ヒモで腰のベルトと、壁のフックを縛るのであった。 これで、落ちる前に引っかかって目が覚めれば、、、


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