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このメモについて

AGGを訳す時に気になったことや分からなかったこと、 引用や引喩の確認・調査、雑多な感想についてメモしています。 AGGの日本語訳としては既にたくさんの名訳が安く容易に手に入るので、 良かれ悪しかれこのメモがこのサイトの売りではないかと思います。

訳注の情報量に関しては"The Annotated Anne of Green Gables" [Annotated AGG] と、その翻訳である「完全版・赤毛のアン」 [完全版] が圧倒的で、次に松本侑子訳の「赤毛のアン」 [松本訳] [松本訳2] が続きます。 [Annotated AGG] の引用に関しては、主に [Use of Quot. & Allusion] がベースになっているようです。 このメモでは可能な限り独自の視点と解釈を見つける努力を行い、 なるべくオンラインで得られる情報の追加を心掛けていきたいと思っています。


グリーン・ゲイブルズのアン

ルーシー・ モード・モンゴメリ (1874-1942)

全般

分からない部分の扱い
とりあえず訳した場合は()内に原文を引用。 分からない単語やフレーズはそのまま残す。訳では[]内は推測や仮の訳。 メモでは[]内は 参照した文献 の記号。
版について
訳に用いたのはProject Gutenberg版で、Puffin Books版、Bantam Books版で誤植と差異を調べた。 版の細かい違いやLMMの自筆原稿との比較は [Annotated AGG,pp.397-414] が詳しいので、そちらを参照のこと。
出版履歴から見ると、Puffin版 [Puffin版] はHarrap版、Bantam版 [Bantam版] はPage版をベースにしている。
PG版 [Proj.Gutenberg版] には、どの版をベースに入力したか書かれていない。 1章が"At first Matthew suggested getting a Home boy." (Harrap, RyersonがHome boy, その他はBarnardo boy)になっているのと、 16章のマリラのセリフが"it's beginning to work" (Harrap版はto go)なので、 Ryerson版をベースにしているようであるが、一部異なる版で修正されているようでもある。 (6章のdreadful sorryは、Ryerson版ではdreadfullyなど) [Annotated AGG,pp.397-398]

タイトルと題辞、献辞

Anne of Green Gables
村岡花子訳 [村岡訳] が完璧にイメージを作ってしまったため、市販の本は今更「赤毛のアン」以外の タイトルは付けられないのかもしれない。だからここではあえて「グリーン・ゲイブルズのアン」を取る。 2作目以降は、Anne of Avonlea, Anne of the Island, Anne of Windy Poplars, Anne's House of Dreams, Anne of Inglesideと続く。始めの3作のタイトルから、 Green Gables→Avonlea→the Island(P.E.I.)と、活動範囲の広がりが感じられるので、 「グリーン・ゲイブルズのアン」のほうが気に入っている。 Anne of the Islandは初めはAnne of Redmond [日記(E)2,p.414,Sept. 27の注] だったので、もともと地名でそろえるつもりはなかったようである。
「エミリーの求めるもの」で、エミリーが始めて出版した本『バラの道徳』がもしAGGのことなら、 ずいぶん皮肉である。バラは「バラ色の人生」のバラ、AGGは(大人向けの)楽天的な道徳の本? 確かにそうである。
題辞の詩
Robert Browning(1812-89)の詩"Evelyn Hope" (ll. 19-20) [Use of Quot. & Allusion,p.17] [松本訳,p.498] [Annotated AGG,p.37] から。 Evelyn Hopeは [Poetry Archives] にあるのでそちらを参照のこと。
ちなみにfireとdewは、ギリシャ哲学(の一派)の考える4元素、 土、風、火、水(earth, air, fire, water) [リーダーズ+] のうちの2つ。 spiritはキリスト教の三位(Father,Son,Holy Spirit)のうちの1つ。
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osawa
更新日: 2002/12/07