Last modified: Fri Jan 16 21:57:39 JST 2015
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IT 活用
デジタルデバイドという言葉もあるようですが、1990年代で既に「情報を制する物は海外旅行を制す」という感じでした。ネットを使いこなし海外の有益な情報を入手したり自分でホテルや航空券を予約できる旅行者と、そうでない旅行者には大きな差がありました。時代が2000年代に進むと、海外の若い旅行者はノートPCを持って、旅先で情報を入手したり通話をしたり好きな動画を見ていました。さて、今日の大回りについてはどうでしょう。大回りも、ちょっとした旅行です。そこで、私が大回りで IT 製品を活用している方法を参考まで紹介します。
旅先で使う
ガラケー
正式には「フィーチャー・フォン」ですが、通用度が低いのでガラケーと表記します。私は最長大回りの時は、IT 製品はこれだけに絞ります。
最長大回りの時に使った機能
- 出発前に保存しておいた行程表を見る
- 出発前に保存しておいた路線図を見る
- ワンセグのデータ放送でニュース・天気・運行情報を得る
- ワンセグでTVを見る
- 時刻を知る
- アラームをセットし、降りる時刻が来る前に準備する
- 写真を撮る
- 動画を撮る
- 口述筆記で旅行記を書くためのメモ録音をする
- 発射ベルや車内アナウンスを録音する
- 電話・メールで連絡を受ける
状況次第では大回りで有用な機能
- ネットを使って時刻表やニュースを見る
- 音楽を聴く・動画を見る
- ゲームをする
- モバイルSuica機能
極論を言えば「ガラケーひとつで大回りはできる」のです。これは、あなたがガラケーをどれ位、使いこなしているかにも左右されます。
ガラケーの機能をフル活用する
最近ではコストダウンのために、取扱説明書はネットでPDFをダウンロードという製品が増えていますが、もちろんダウンロードして丹念に読み、利用できる機能は利用します。全部の機能の8割以上は使う、という意気込みでどうぞ。低価格のガラケーでもあなどれない性能があります。購入前に、機種名で検索して取扱説明書をダウンロードして丹念に読み、必要な機能が欠けていない事を確認するのもお勧めです。 (掲示板やまとめサイトに書かれている事を鵜呑みにするより正確です)
ガラケーにはオプションの SD カードを増設しておきます。
ガラケーを PC とつなぐ
ガラケーは PC と接続し、連動して活用するのでなければ真価を発揮できません。そもそも、これができなければ撮影した画像を PC に取り込む事もできません。取扱説明書をよく読み、接続ケーブルを手に入れ、PC にドライバを入れて、つなげられるようにしてください。私の愛機と同じシャープ105SHをお使いでしたら駄文ですが併せてごらんください。
行程表と路線図は、ネットを使わなくてもガラケーで見れるようにします。
行程表
後述しますが、PC で作成した、ガラケー用の行程表を転送します。 (サンプル)
路線図
JR東日本:路線図から以下を保存しガラケーに転送しておきます。
最長大回りの場合は、よろしければこちらもどうぞ。
このように行程表と路線図がいつでも参照できるように準備してから大回りをするので、書籍の時刻表は持っていきません。最長大回りの時は頻繁に参照するので紙に印字した物をポケットに入れておき、ガラケーは紙を紛失した場合の予備としています。
動画を保存する
著作権的に問題の無い YouTube 動画に関しては、Craving Explorer で保存して、携帯動画変換君でガラケー用にコンバートして転送します。
注意: Craving Explorer は、インストールする際に、迷惑なソフトも一緒にインストールするかと聞いてくるので、必ずチェックは外してください。この説明だけで理解できないのでしたら、たとえばiPhone6とWin8.1とMacbook 藤井塾さんのページを参照してください。
補足1: 日頃 UNIX をお使いの方は、 clive でどうぞ。(解説記事の例: 特選フリーソフト - YouTubeから動画を一括ダウンロード clive:ITpro)
補足2: 日頃 ffmpeg をお使いの方は、携帯動画変換君の代わりにどうぞ。(解説が要る位なら ffmpeg は使えないでしょうから省略)
音楽を保存する
例えば自分が購入した CD など著作権的に問題の無い音楽は個人的に携帯で持ち出して聞く事が可能です。方法は、お使いのガラケー次第なので、取り扱い説明書をご覧ください。ファイルをどこぞのフォルダに置くだけで聞けるタイプの携帯は楽ですね。専用ソフトが要る携帯は面倒です。105SHの場合は、AAC 形式でないと再生できないので、iTunes の助けを借りて AAC ファイルを作成しています。 (以前の ffmpeg では一発で変換できていたのですが、バージョンを上げたら出来なくなった)
周囲の迷惑にならないようにヘッドホンが使えるようにしておいてください。なお、動画や音楽を聴くというのは日帰りの大回りの場合です。
最長大回りの前には、大回り中に撮った動画が保存できるように、動画も音楽もガラケーから PC に一時的に移動させ、SD カードの容量を空けておきました。
スマホ
今どきではありますが私はスマホを持っていなかったりします。スマホはガラケーに比べて重量・サイズ・毎月の費用・電池の持ち・手袋をして操作ができない、などの弱点がありますので。早くガラケーを凌駕するスマホと安いプランが出来て欲しいものです。
それで使ったことはありませんが…スマホの方が、ガラケーより高度なことができると思います。どうぞご活用ください。
注意: Apple の iPhone にはワンセグTVやモバイルSuicaがありません。
タブレット
私は現時点では、ガラケーとタブレットという組み合わせで使っています。目が悪いので大画面のタブレットは大助かりです。ガラケーより活用できる情報の幅が広く、撮影の性能も上です。でも電池の持ちが残念で、私のは6時間ぐらいしか持ちませんね。ディスプレイの輝度を落とすのが電池節約の上で効く感じです。
自宅で、タブレットでオンライン時刻表を利用して検索したものを「オフラインで読めるよう保存」などの機能を使えば、それで行程を持ち歩くことができます。なお、乗り換えの多い大回りのために経路を分割して検索して、その結果を「オフラインで読めるよう保存」した場合は、必ず、それぞれの検索結果がオフラインで読めるかどうか確認してください。単に上書きされていて、最後に保存したものしか読めない、という事がないように。まぁ、経験者は語ると申しましょうか。画面キャプチャでも、時刻が判読できれば使えるでしょう。
前述の行程表と路線図を保存すると同じ事が、タブレットだと PC の助け無し行えます。とても便利な道具です。
ただし最長大回りでは重量や電池の持ちの関係で置いていきます。便利な道具無しでガラケーだけで大回りをするためには、それを補うための工夫・努力・根性と割り切りが必要になります。
Wi-fi
私がタブレットで使えるネットは Wi-fi だけです。ITmedia の東京メトロ・都営地下鉄143駅で無料Wi-Fi 訪日外国人向け、日本人も利用OKの記事をご覧ください。とはいえ、私も「これから試してみる」という状況です。
iPad か Android か
私は Android しか所有していませんので客観的な比較はできないのですが、感覚的には、Android の方がメーカーが沢山あるので性能の割に安いイメージがあります。なお私の周囲では、iPad の方が使いやすいという意見が多いです。どなたか私にタダで iPad を下されば、もっと良い比較結果が報告できますか。
自宅で計画立案時に使う
PC
私は大回りをする前に、 PC で情報収集・行程立案・PDF作成を行っています。時刻を調べることに関しては、オンライン時刻表の利用をご覧ください。
- 以下に説明する内容は、理解できなくてもさして困らないです。
- ツールというものは、それで手間を省くというのが目的なので、ツールを作るのに時間を掛け過ぎていたらペイしません。よって間に合わせの使い捨てプログラムを組み合わせて単純作業を楽にし、後は手直ししています。
- sed や AWK コマンドを使います。お使いの PC 環境で sed や AWK が動き、日本語が通るか、ですが… Onigsed は機能が高い sed です。なお、sed や AWK を動かすのに手こずるようでしたら、ハイパーダイヤの結果を表計算ソフト等に素直にコピーペーストする方が早いでしょう。
スクリプトを利用した行程表の作成
ハイパーダイヤで検索された行程を、マウスで選んでコピーします。
メモ帳にペーストします。ファイル名は適当で構いません。この説明では route.txt とします。
同様に、次々と行程をコピー&ペーストします
出来上がった route.txt に対し、コマンドプロンプトから以下を実行します。
sed -n -f 140.sed route.txt | awk -f two2one | sed -f post.sed
パッと見てみて良さそうなら、結果をリダイレクトして適当な名前のファイルに保存します。
sed -n -f 140.sed route.txt | awk -f two2one | sed -f post.sed > 140.csv
保存されたファイル (ここでは 140.csv) を、メモ帳などを用い、ハイパーダイヤと見比べつつ、人間の叡智で修正します。
なお日頃、UNIX というか FreeBSD をお使いの方は、以下のように変えてみてください。140.sed も EUC に変換しておいてください。
nkf -e route.txt | sed -n -f 140.sed | tr -d "\r" | awk -f two2one | sed -f post.sed > 140.csv
CSVファイルを表計算ソフトに読ませる
修正が済んだCSVファイル (comma-separated values) を表計算ソフトに読ませます。私は無償の LibreOffice を使っていますので、そちらで説明します。Excel をお使いの方は Excel で作業してください。
区切りはコンマのみにして「OK」
このようになります。後は適宜、路線名・行先・備考をハイパーダイヤからコピーペーストして追記し、枠線を入れます。
後は、ファイルを PDF でエクスポートします。
説明のために作った(簡単な) PDF ファイルはこちらになります。 (140.pdf)
PDF ファイルは USB メモリに保存し、セブンイレブンで印刷します。 (拙宅はプリンタ無しのため)
ガラケー用のファイルを作る
表示スペースの関係で備考欄は省きます。 (フィールドの 1,2,3 のみを表示)
sed -f keitai.sed 140.csv > 140.txt
これをガラケーに転送します。
こうすれば日帰りの大回り位ならガラケーで、しかも通信機能に頼らずにできます。とはいえ、ここまでしてガラケーだけで大回りをして何になるのか、と思われる人のほうが多いでしょうか。
HTMLファイル
これは、しなくてもいいかなという気もしますが、CSV を HTML にコンバートする事も可能でして、
sed -f csv2html.sed 140.csv > 140.html
使い道ですが、
- ガラケーによってはSDメモリーに保存したHTMLファイルが読める。
- 後日、Webページに載せる
です。 HTML には備考欄も残しています。
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