次へ| 前へ| 目次
旅行準備編

事の始まり

私を育ててくれた両親も、次第に高齢になってきた。 それで元気なうちにヨーロッパを見せてあげたいと思った。 それでシルバー世代向けのツアーのパンフレットを集めようとしたが、 いくら親孝行とはいえ、しめて100万円超をポンと出す程の高給取りではないので、 これなら私が慣れたやり方、すなわち格安の航空券を手に入れ、 私が案内した方が安い、と思った。 11年前にヨーロッパを1人で28日旅行した時は、 確か25万円ぐらいで済んだはずである。 当時より、航空券は安くなっている。 私は6月に1週間、休みを取っていたので、 案内するとなると日程的に短時間で色々見れて楽しめ、 移動距離も少なくて済む組合せといえば、 ベルギーとオランダあたりだろう。 欲張ってパリまで入れると移動が面倒だから省こう。 対抗案としてドイツに絞って見る手もあるな、と思って大まかな計画を立考えた。

しかし親の希望を聞いた所、山歩きが好きなのでスイス、 そして、ロマンチック街道に行きたいとの事だった。 私は「げっ!」と思った。 ロマンチック街道に行くからには、 ノイシュバンシュタインを外す手は無い。 しかし、あそこはドイツの南のはずれなので交通の便が悪く、 ここからドイツの都市に戻るならまだしも、 ここからさらに他の国に向かうというのは非常に難しい。 昔は朝の9時にオーストリアのロイテに行けるバスが1本あるだけで、 その後に交通事情が改善されたという情報は得ていない。 こうなると鉄道で大回りしてスイスに抜けざるを得ず、 1日ロスしてしまう。これはちょっと痛い。

実家で親が集めたパンフを見るが、 なかなかコース・値段で折り合わない。 しかし私がドイツの政府観光局から持ってきた、 名鉄観光という所のツアーは、 ロマンチック街道とスイス、それにパリを網羅していて、 飛行機代・ホテル・食事付きでこの値段なら安いと思ったが、 ちょっとスケジュールがきついかなと心配にも思った。 しかし

という事で、「ロマンチック街道とスイスアルプス・パリ9日間」に決まった。

そもそも海外にツアーで行った事など無かったので、 恐る恐る電話し、コース番号と出発希望日、人数と名前、 部屋はトリプルでお願いしたいと伝え、その場で受け付け完了。

個人旅行と比べると、信じられないほど簡単だった。

自由行動日の計画

最終日はパリで自由行動なのだが、 親に計画を立てろというのも無理な話である。 しかし私も忙しくて、図書館やフランスの政府観光局に寄る時間も無い。 そこで夜中に自宅で WWW を使い、 パリ交通公社から地下鉄路線図バス路線図、 一日乗車券を利用する際に関わってくるゾーン区分を調べる。 また在日フランス政府観光局の情報などからパリの情報を集める。 フランスはスリやドロボーが多いので外務省の海外安全情報も調べた。 ガイドブックも要るなと思い、 amazon.co.jpで注文。

それにしても、こんな真夜中にパリ旅行の情報が調べられるようになったのは、 便利な世の中になったのか、余計忙しい世の中になったのだか判らない。

1週間前

出発前1週間の週末。 図書館に寄ってガイドブックを借り、 実家へ行って荷作りを助ける。 宅配便でスーツケースは成田に送るとの事。 送る方法に関して色々聞かれたが、 スーツケースなんか使った事がないので答えられなかった。

前日

出発前日に東京三菱銀行に行って、 マルク・スイスフラン・フランスフランを購入した。 ツアーだと時間的余裕が無いので、 事前に現地通貨を準備しておく方がいいだろうと思った。

東京三菱銀行では、店内の行員が丁寧に外貨の購入方法を教えてくれた。 それにも関わらず、書き方を間違え、窓口で手間を食った挙げ句、訂正してもらった。 行員さんには感謝しないといけない。


次へ| 前へ| 目次