Last modified: Thu May 7 01:14:58 JST 2015
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持ち物
大回りに何を持っていくかは、旅行に何を持っていくかというのと同じで答えは千差万別です。房総半島へ海を見に行くのか八高・両毛・水戸線で山を見に行くのか、夏に行くのか冬に行くのかでも変わります。ある人には不可欠だと思う持ち物でも他の人には必要とは思えない事もあるでしょう。ここではみなさんに適した持ち物を考える上でのヒントを紹介します。なお、以下では JR の東京近郊区間で乗車券を使っての大回りに関して述べます。
持ち物リスト
レジャーで行う大回りと最長大回りに共通
- □ バッグ
- 背負うか肩に掛けるかだと思います。背負うタイプは、乗り換え時間が短くダッシュする場合にバランスが取りやすい、荷物が多くても楽なのが長所ですが、荷物の出し入れがしにくい点と、床に置きづらいのでひざの上に置くか網棚に載せる事になるのが短所です。最長大回り以外では背負うタイプでなくて十分ですが、撮影機材が多い人はその限りではありません。
- □ 貴重品入れ
- 切符、現金、カードはバッグにではなく身につけましょう。ネックポーチは海外旅行の店で、ポケットの多い作業用ベストはホームセンターなどで入手できます。
- □ 切符
- 140円切符を一枚。 (普通乗車券の片道乗車券)
注意: Suica や PASMO など、ICカード乗車券は使うべきではありません。また、片道乗車券であっても自動改札機から出てはいけません。「Yahoo!知恵袋」の大回り乗車をしたらこんな腹の立つことがありました。をご覧ください。
大回り乗車(途中で数時間撮影)をしたのですが、改札を入って約5時間後に代々木駅を出ようとしたら改札機が閉まりました。
そこで駅員に磁気券(普通乗車券)を見せたらルートを言えと言われ、そして言ったら「何でそんなに時間がかかったのか。今回は許してあげましょう」と言われ、不愉快なままに駅を出ました。
わざわざ自動改札機を通ろうとしてフラップドアが閉じれば不正乗車を疑われるのは当然です。無駄に駅員の手を煩わせるという点で既に迷惑ですが、まして腹を立てるなどというの絶対にやめてください。大回りをするなら「正しい方法」は知っておいてください。
- 普通乗車券を買って改札に入り大回りを始める際は磁気カードが使える自動改札機を通って大丈夫。
- 大回りが終わったら、有人改札に行く。念のために行程表もすぐ示せるように準備。
- 駅員に切符を渡し「大回りをしていました」と告げる。切符を貰いたい場合は「記念にしたいので無効印を押していただけますか?」とお願いする。
- 通してくれたら駅員に一礼する。無効印を押して貰った時は感謝を述べる。
最初から意図的にICカード乗車券を使い私鉄にまたがる難易度の高い大回りに挑戦するのでない限り、ICカード乗車券で大回りをするのは厳禁です。
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- □ 行程表
- 旅行のプランを事前に立てるというのが最も肝心な事前準備となります。長距離の場合は必ず紙に印字して持参すべきです。短距離の場合は、携帯端末に保存する・頭に入れておく、という方法もあります。参考までに私が最長大回りで使用した行程を紹介します。
- □ 路線図
- 人身事故等で運休に遭う場合もあるので必要です。方法は幾つかあります。
- JR東日本:路線図で路線図がPDFでダウンロードできます。関東・甲信越エリアと、東京近郊エリアの2つがあれば大丈夫です。これを紙に印字、または、携帯端末に転送します。
- 古い時刻表の「検索地図」の部分を切って持っていく方法。
- 時刻表を持っていくのであればそちらをご覧ください。
- □ Suica 機能付きクレジットカード
- 例えばビックカメラSuicaカードは入会費・初年度無料で、さらに、年度に1回以上クレジットを使用すれば2年目以降も無料になります。これがSuicaになり、オートチャージが使え、クレジットカードになります。利用明細と共に送られる「VIEW's news」には Beck's などの割引クーポンがついています。モバイルSuicaも年会費なしで使えるようになります。
- 他社の発行するビューカード
も幾つかあります。みずほマイレージクラブカードセゾンSuicaですと NEWDAYS のみずほATMが使用できます。
構内にVIEW ATMコーナーがある駅
赤羽、秋葉原、池袋、上野、大塚、大宮、柏、川崎、川越、北朝霞、北千住、吉祥寺、空港第2ビル、国立、高円寺、品川、新秋津、新木場、新宿、新松戸、水道橋、蘇我、高田馬場、田端、田町、千葉、東京、中山、成田空港、西荻窪、西船橋、日暮里、八王子、浜松町、東中野、府中本町、船橋、舞浜、浦和、南浦和、南越谷、武蔵浦和、武蔵小杉、武蔵境、武蔵新城、武蔵溝ノ口
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- □ 現金
- 今では自販機や NEWDAYS、駅構内の飲食店は Suica で支払いができますが、現金も多少は必要です。複雑な行程の場合は大回りのルール解釈を誤っていて乗った距離の料金を請求された場合の備えも持っていると安心です。これは大回りに慣れれば不要になりますが、怪我に備えての予備も含めると結構な金額が必要、という事になります。五千円札では足りません。不都合なケースを想定してみましょう。階段で転倒・骨折し、大回りは断念して診察を受け、レントゲンを撮ったとしましょう。初診料に休日夜間の割り増しがかかります。手持ち現金が少なければ治療をしてくれた医療機関の会計で「お金が足りません。後日の支払いで良いでしょうか」と言う羽目になります。病院によっては、既に診察カードを持っているような近所の人は別として、遠方から訪れた初診の人には受診前に担保金を1万円預けてくださいと言う所もあるようです。
- □ 健康保険証
- 病気や怪我で病院の世話になる場合の備えです。さして邪魔にはならないので持って行きましょう。前述の「不都合なケース」に遭った場合、健康保険証を医療機関に提示できなければ、いったん全額立替払いし後日に精算または療養費の申請手続きをする事になります。
- □ 保険
- 「大回りに保険?」と思われるでしょうが、タダなら保険があってもいいのでは。私も、実際に怪我をしたわけではないので確証は無いのですが、
などを見ますと、現金ではなく、わざわざビューカードで140円の片道乗車券を券売機で買えば「乗車券等の代金を…搭乗前にビューカード決済した」に該当し、大回り中に駅構内で階段で転倒し骨折した、といった場合に補償される…かもしれません。どなたか実際に怪我をして請求したという方がいらっしゃいましたら、情報を戴けますと幸いです。
- □ 携帯端末 (ガラケー、スマホ、タブレットのいずれか)
- いまや必携アイテムです。電話機能以外にメールの送受、ネットを使って時刻表やニュースを見る、ワンセグでTVを見る、写真を撮る、音楽を聴く、動画を見る・撮る、といった事が可能ですが (機種にもよります) 問題なのは電池切れです。駅構内での充電は期待できません。大回りをする前にフル充電しておく以外に、電話と写真撮影以外は極力使わずに電池を節約するか、後述するモバイルバッテリーを持参します。
- □ 時刻表
- 方針は幾つか考えられます。
- フルサイズの時刻表を持つ。
- フルサイズの時刻表から不要なページを切り離す方法。例えば東京近郊の大回りをするのに四国や北海道のページは不要です。必要なページだけを選び穴をあけてバインダーに閉じます。行程を印字した物や、メモを取るためのルーズリーフ、駅スタンプを押すなら白いルーズリーフも挟んでおきシステム手帳風に使います。
- 持たない。行程はしっかり立てておき紙に印字したり携帯端末に転送しておきます。予定より遅くなった場合のプランも事前に幾つか考えておきます。
予定変更の必要が生じた場合の対応方法ですが、
- 携帯端末で時刻を調べる。この方法は電池切れや携帯端末電話が圏外になるなどのリスクがあるため注意が必要です。
- 電光掲示板や駅にある時刻表、車内アナウンスを元に予定を変更する。この方法は慣れが必要。
- 小型・中型の時刻表を持つ。
- 個人的な考えではありますが、いまさら紙の書籍で時刻表を持ち歩く時代ではないと思っています。時刻表は出発前に読んで行程を立てる時に使うものであり、大回り中も時刻表を調べたいと思うようであれば、準備不足でしょう。
- 東京時刻表を借りて確認した所、東京近郊区は全てカバーされていました。武蔵野線も全駅が載っています。ただし厚さはフルサイズの時刻表と変わらない位にあって、入夫困難さを補うメリットがあるとは思えませんでした。
- □ 撮影機材
- 写真撮影が目的の人から、携帯端末のカメラで乗った記録を残せればいいという人まで様々です。携帯端末のカメラの画質は端末により差があり、ある程度、値段に比例します。
- 個人的には、カメラ本体 + レンズ + 三脚(または一脚) が金額的にバランスが取れている事と、撮影者の腕で決まると考えています。こちらのカメラユーザー必見!たった19円で携帯性抜群のカメラ一脚を自作、デジカメの手ぶれとサヨナラする方法!!なども興味深いですね。
- □ 雨具
- 寒い時期だと雨に降られて傘が無いと厳しいです。天気予報次第では省略します。とはいえ大回りで乗り換えに使う駅は屋根がある駅も多いですが、一部しか屋根が無い駅もあります。屋根が無いのは、成東の0番線。松岸も無かったような記憶が。
- □ 座布団
- 長時間座っていると椅子が硬いためお尻が痛くなる場合があります。痩せ体型の人は100円ショップの物でもあると違います。サイズが大きいと隣の席まで広がってしまうので小ぶりな座布団を。
- □ 食料
- 好みの物を。安上がりに済ませたい、あるいは乗り換え時間が短く食料が購入できなさそうな場合は弁当を持参する方法もあります。レジャーとしてピクニック風に楽しむのであれば頑張って美味しいものを作ってください。低体温症の予防という事ならカロリーの高いものを。
- □ 飲み物
- 夏なら冷凍可能なペットボトルを半分凍らせて持参する手もあります。断熱ケータイマグをお持ちの方は、氷を入れたり熱湯でも使えます。ただし、縦置きにして欲しいなど使い方に注意が必要なので、取扱説明書をあらかじめネットで読み自分に向くと思ったらどうぞ。お金がある人は駅構内で買えます。お金が無い人は洗面所の水を汲んで飲んでも死にません。
- □ ラジオ
- ニュースや天気予報を仕入れるだけなら携帯端末のワンセグで代用可能です。音楽よりラジオが好きな人はどうぞ。列車によっては窓際にラジオを置いてもノイズがひどくて聞けない場合もあります。列車で関東狭しと移動するので周波数が変わります。プリセット式で、もし周波数の変更が面倒な機種だと使い物になりません。
レジャーで行う大回り限定の持ち物
- □ 音楽プレーヤー
- 大抵の携帯電話は音楽再生機能がありますが、電池が尽きると困るので、音楽が手放せない人は別のを持って行きましょう。ノイズキャンセリング式だと音量をあまり上げないでも聞けます。
- □ 本・雑誌・ゲーム機
- お好みで。夜は車窓の風景は楽しめません。宿題を持っていったり、語学を勉強するのも良いかと思います。
最長大回り限定の持ち物
- □ 防寒具
- 手袋にマフラー。ダウンジャケットはフード付がいいです。あるいはスキー用の帽子。列車内は暖房があるので、脱いで温度調節ができるように工夫し重ね着。下半身も股引や暖かいズボンを。
- □ 熱源
- ハクキンカイロ、または、使い捨てカイロ。
- □ 洗面用具
- ポケットティッシュ、歯ブラシセット、小さな石鹸、手拭い、髭剃りなど。
- □ モバイルバッテリー
- クチコミサイトに駅構内で充電できる店とあったので下見に行ったら充電はできませんと言われた経験があります。電源を使わせたらコーヒー1杯で長時間ゲームに興じる人が現れたのではと思っています。駅コンセントで携帯充電の女子大生摘発、という事件もありましたので勝手に充電するのは御法度ですし、最長大回り中に充電されるまで何時間も留まるというのも非現実的です。モバイルバッテリーがあれば、ケーブルで接続するだけで移動中に充電されて非常に便利です。なお、一部にモバイルバッテリーで充電できない機種・ケーブルもあるので、事前に確認してください。
夜間を成田の待合室以外で過ごす場合
- □ 寝袋
- 無ければ死ぬ恐れがありますので、寝袋を持たないなら最長大回りは挑戦しないでください。「気温0度で寝袋が無かったらどうなるか」と考えてください。適当に探した待合室にいれば1月1日の未明も暖房が入っていて暖かく過ごせるだろう、などと都合良く考えないこと。暖房は止まる事があり、乗客が出入りします。待合室の無い駅で構内の通路などで夜を過ごすなら、風も通り抜けるので体温が奪われさらに厳しい環境になります。
最長大回りでは持っていかないもの
- × 本・雑誌・ゲーム機・音楽プレーヤー
- そんな時間はありません。大回りはとても忙しいのです。時間があったら仮眠を。
最長大回りの時の注意
- 寒さ対策が肝心です。列車内なら暖房がありますが、列車待ちのために真冬の駅構内で長い時間を過ごさなければいけない場合もあり、適切な防寒対策をしなければ健康な体には戻れなくなる恐れがあります。
- 窓際・ドア近く・連結器の近くなど、外気の冷え込みが伝わりやすい場所にいると、どんどん体温を奪われますので、特に深夜・早朝の外気が低い時は、このような場所からなるべく体を離すようにしてください。
- 夜を過ごす場所。成田駅の待合室を利用しても足が冷えるのでひざ掛けや毛布が無いと睡眠が取れません。列車遅れトラブルに備え寝袋持参の人もいました。
- スリ・置き引き・忘れ物対策として貴重品入れ。乗り換えが非常に多い上に長時間乗って寝たりウトウトするので注意が散漫になる事は避けられません。「これが無くなれば非常に困る・家に帰れない」という物は身に付けます。私は貴重品はベストのポケットに入れ、さらに上着を着てガードします。バッグは、食料品や時刻表、座布団程度にします。またドア付近は発車間際に引ったくって逃げるという手口が使えるので、可能ならドアから離れた所に座る方が良いです。ドア付近は寒い、というのもありますが、女性の場合は発車直前に触ってドアから逃げる痴漢予防にもなります。
- 長時間なので座布団が無いと尻にアザができる可能性があります。
- 行程表は予備も必要。無くしたら大回り中止、とならないように。選択肢ですが、
- 紙で2枚持つ方法が一番、素直でしょう。持つ場所は分散してください。 (例: 1枚は上着のポケット、もう1枚はカバンの中、など)
- 紙は1枚だけにするが、携帯端末にも行程表を送っておいて予備とする方法もあります。
- 一方、携帯端末は電池が尽きる・落とすなどで使用不能になる事も想定し、携帯端末が使えなければ行程も時刻も分らない、という事が無いように。
- 積雪や人身事故等でダイヤが乱れ予定していた駅で食料を確保できなかった時に備え非常食もあると良いかと思います。この程度のトラブルを「想定外」と考えるようでは旅行はできません。他に、アナウンスを聞いて列車が止まったら長時間の足止めもあり得ると考え速攻で店に走って飲食物を売り切れる前に確保するという手もあります。「駅構内に店があれば」の話ですが。
- 臭い息・脂ぎった顔・無精ひげではみっともないので洗顔用具やシェーバーも必要です。
私はかつて長時間列車に座ったために尻の骨の周囲が内出血して皮膚科に通院したり、寒い列車に長時間乗ったため入院した事があります。窓際・ドア近く・連結器の近くは体温を奪われるというのは、身に染みたのでお伝えしています。
余談のコーナーです。
経験を積む事による持ち物の変化
- あれもこれもと持っていく物を増やす方は (重量は別として) 簡単ですけれど、持っていかないという判断をする方が難しいですね。これは実際に大回りを行い、自分にとって有用度の低いもの・無くても何とかなる物は、次回からは置いていく、という事です。
- 時刻表無しで大回りができるようになるのは簡単ではありません。逆に言うと、時刻表を置いていくために入念に準備・計画する必要があります。
- 旅行経験を積むと、必然的に運休などのトラブルに遭う事も多くなり、トラブルの対処法にも慣れてきます。
- 少ない道具を工夫して活用するテクニックがあると荷物が減らせます。
ウルトラライト大回り
ウルトラライトは、登山やハイキングで聞く言葉で、概要は『登山用品・装備の軽量化』意気込み編:ウルトラライトとは何かを参照ください。大回りでウルトラライトというのは私以外にやっている人がいるのか分かりませんが、日帰りなら、現金・Suica 機能付きクレジットカード・健康保険証・ガラケーだけで大回りをする事もあります。今回 (2014-2015 の大回り) は、寝袋と毛布を持っていくために他の持ち物は極限まで減らしました。
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おことわり: これは私がかつて「東京近郊区間大回りWiki」というまとめサイトに投稿した内容を自ら改定したものです。古参の利用者が絶対服従を求め対話しようにも生意気だという態度に嫌気が差し、私はもはや投稿した内容がまとめサイトで公開されるのを望まないので削除して欲しいと粘り強く依頼しましたが、まとめサイト側は依頼を無視し、私の書いた内容を一部、書き換えて自分達のものだとして公開を続けています。私がまとめサイトの内容を真似したわけではない事をお伝えします。