Last modified: Mon Mar 14 23:39:43 JST 2016

大回りで行く 房総半島一周とSL銚子号の旅

年末年始の最長大回りに予定が入ってしまい、行けなかったのが残念だったので、SL が銚子に来るという情報をキャッチして、見に行くからと勤務先から休みをもらい、自宅から大回りで房総半島を一周し銚子方面まで行ってきました。

内房から海の向こうに見える富士山と写真に収めるいう望みはあいにくの小雨で打ち砕かれ、青い海でも広い海でもない「白い海」でした。いえ…なんだか遠方に白くて平らな海らしき物が見えている、五里霧中とはこのことか、という悲惨な状況。

SLは小見川駅でスマホで撮影させてもらいましたが、撮影機材を抱えた鉄道ファン (撮り鉄) でごった返しているかと思いきや、人もまばらでした。

帰りは成田線で安孫子に行って、から揚げそばを食べてまいりました。


計画編

佐原 - 銚子間でSLが走りますという情報によれば、[SL銚子] 佐原駅(14:16 発)⇒香取駅通過(14:22頃)⇒水郷駅通過(14:28頃)⇒小見川駅発(14:38頃)*ドアは開きません⇒笹川駅(14:46 着)(15:12 発)⇒銚子駅(15:50 着)との事。

ダイヤ

自宅最寄駅から笹川駅まで 笹川駅以降

旅行記

今回は、今までよりスマホに依存している。というか、去年はスマホなど持っていなかったので、ガラケーをいかに限界一杯まで活用するかに主眼が置かれていたような面もあったのだが、知人から、2年縛りが過ぎ iPhone に機種変更しもう使わないからと頂戴した SOL 21 を、ありがたく使わさせてもらっている。SIM は無いので、小型のタブレット端末代わりである。やはりスマホの方が旅程を転送する場合などがガラケーより楽ちんである。

肝心のルートだが、なかなか決まらなかった。希望スペックとして

海の向こうの富士山を見たいとなると、内房線を何時に通るか、である。早い方が見える確率は高くなるが始発に乗るとなると体がキツい。日の出は 6:44 だから、そこまで早くなくてもと思うが、予報ではあいにくの雨か雪という事である。姉ヶ崎駅のキオスクの確認は、個人的な興味だが、大回りでは貴重な「内房線で利用できる改札内の店」という事なら調べる価値はあろう。とはいえ内房で列車からホームに降りてしまえば後戻りなどできないので、1時間近く待ち時間が発生してしまう。早朝で寒さが堪えそうだし、NEWDAYS が改札内にあると分かっている木更津より手前となると、そこまでして調べる価値があるかな、と悩んだ。それで、当日朝の天気予報で決める事にした。ほとんど「出たとこ勝負」で、大回りにしては珍しい。

3時。アラームで目を覚ます。予報によれば、雨雲は午前10時くらいで千葉にかかりそうという事で、始発で家を出て姉ヶ崎は無視、雨が降る前に内房を通る。ルートは天気で決まった。

ほとんどの準備は昨日、しておいたので、湯を沸かして紅茶を淹れ、保温ジャーポットに熱湯を入れ、食料をデイパックに詰め込む。充電したモバイルバッテリも外してパックに入れる。ハクキンカイロ mini に燃料のベンジンを、上限であるカップ1杯半入れる。これで18時間、持つと取説に書かれている。穂口をライターで炙り、触媒の部分が発熱する事を確認。洗顔・歯磨き。3時半には出るつもりだったが、モタモタして家を出たのが3時38分になってしまった

暗く寒い道を歩く。余裕を持って大回りの計画、なんてことは滅多に無い。早めに準備を進めようと思ったものの色々とやる事などがあって、結局、夜11時頃まで準備にかかってしまったので4時間睡眠か。ちょっと眠い。私ももう若くはないなと感じる。まぁ50分あれば大森駅に着くだろう。運動になっているせいか身体が熱い。日頃の運動不足という奴だろう

早朝の駅のアーケードを通る。この時間でも一部の店はやっており、幾らか人も居る。最低限の食料はあるのだが、本当に最低限なので、急いで吉野家に行く。弁当待ちの人が居て、待たされた。急いで食べながら「次に温かい食事にありつけるのは、14時間後の我孫子かな」と思った。店を出たら4時20分。始発まであと8分しかない。まだ外は真っ暗。駅に急ぐ。

今回は、140円の切符をわざわざ指定席券売機で買うという事をやっていて不慣れだった上に、ホームページに写真を載せようとして手間取ってしまった。

駅の指定席券売機で、以下のような操作をした。

「乗車券 普通回数券」
「乗車券」
乗車日は「本日」
「大人1名」
「普通列車のみ利用する」
大森駅(当駅)から」
到着駅名の先頭1文字を押す
「蒲田駅」を選ぶ
「この経路の乗車券を購入する」
「片道」
内容が良ければ「確認」

金額こそ140円だが、ちょっとした旅行なので、指定席券売機で旅行に気分が出る切符を買った。しかもわざわざ140円を、現金ではなくクレジットカードを利用して購入する。これで費用無しで鉄道での旅行中の事故や怪我に旅行保険が付く筈。もっとも、実際に事故や怪我に遭って「クレジットカードの保険が役立った」と確認した事はないですが。

14ヶ月ぶりに「さぁ、行くぞ!」だが、始発に駆け込み乗車とは何という間抜けな。記録を残すために乗り遅れそうになっているのだから世話は無い。よって開始早々、大森駅に停まっている列車と電光掲示板などの写真は無い。というか、写真を撮る事も忘れていた。忘れたというより、そもそも証拠写真を撮ろうと全く思いもよらなかった。14ヶ月ぶりとはいえ、もう大回り愛好家の端くれとは呼べない位に腕が落ちているようだ。まだ外は真っ暗である。

というわけで、秋葉原に着いた京浜東北線。クッションは柔らかく、車内は暖かかった。

秋葉原から総武線に乗る。

立ち席ですか。

「平日の朝10時まで座席は使用できません」とある。

隣の車両は、立ち席ではない。

列車は西船橋あたりで空いてきた。

千葉発の、内房線を回る列車としては始発。各駅停車だが、これに3時間ほど乗る。

木更津で約8分、停車。ホームに待合室がある。

ホームにオートキオスクあり。

6:30 に NEWDAYS が開店するのを待つ人。開店と同時に入って「駅弁というものはありますか」と聞いたら、改札の外に出ないと無いとの事で、トンカツ弁当を450円で購入。6:33 発なので大急ぎで列車に乗る。正直、ちょっと危なかった。

君津でもすれ違いのため少し停車。念のために改札コンコースを見に行くが、NEWDAYS は改札外。

「ようこそ房総へ」というハリボテ。ここで記念写真でも撮るのだろう。

多機能トイレあり。

6:48 まで少し時間がある。

2号車がトイレ付き、1号車はボックスシートあり。進行方向窓側の席をゲット。

ホームには待合室あり。

大貫駅で車両交換、要するにすれ違いのため停車。軽い朝食。

富浦 - 那古船形の間の車窓

館山でワンセグの受信状況をチェック。東京のスカイツリーからのテレ朝の電波で5本、立っている。なぜかNHK総合だけ受信できないが、Eテレ・日テレ・TBS・テレ朝・テレ東・フジが受信できる。なぜそうなるのかはわからないが、館山では受信できたという事実のみお知らせします。

九重の手前で列車内のトイレを使う。2号車。トイレは揺れるし、凄く綺麗とは言えないが、用を足せなくはないといった所。出ようと思ったらなぜかドアが開き高校生が入ってきた。何のこっちゃ。

千歳って千葉にもあったのですね。

南三原 - 和田浦の間。ワンセグは東京の局は1局も受信できない。今日は海が…白い。海と空の境目が全く分からない。

江見 - 太海の間。これでも、今日の車窓の光景としては、海らしく青く見えている方。

江見 - 太海の間。イマイチ感漂う光景。天気が悪く眠い。海は白いし。全く楽しめないわけではないが、とても楽しいとは言い難い。だが、寒さ対策は万全だった。太海の手前に、川に橋が架かっていて海が真下に見えるポイントがある。写真は撮れなかったが。

安房鴨川。乗り換えはすく、3番→2番。時間は短いが、向かいのホーム。小雨が降っている。また進行方向窓側のボックス席をゲット。

鵜原 - 勝浦。外房線はクッションも柔らかく、暖房も効いていて快適。

鵜原 - 勝浦。次の1枚も同じ。

外房線は千葉行なので、大網でちゃんと降りないとエラい事になる。東金線へ。

成東。「NEWDAYSあります」の表示。まぁ、確かに改札の外にはある。

改札内にトイレあり。多機能トイレもある。

0番線にある待合室。以前はすぐ隣が喫煙所で、臭くてたまらずとても入る気がしなかったが、幸いにも喫煙所は撤去された模様。

乗り換えに時間があるのは成東だけなので、待合室で弁当を食べる。インスタントみそ汁も作った。

総武本線の銚子行。

松岸の待合室。最長大回りをする人間には馴染みの場所である。あまり時間が無いので急ぎ写真を撮る。。

1番線から3番線に乗り換えたのだが、松岸はなぜか3番線に駅長室がある模様。

駅の外には出れないのだが、いつか外に出れる切符で散策してみたいな、と思う。

成田線の千葉行の列車が入線してくる。

この列車の中で私は重大なミスをやらかしてしまう。20分の乗車時間があったのに、「どうせ笹川に洗面所があるだろう」と根拠もない期待をして、列車内のトイレで用済ませておく事をしなかったのだ。

笹川に着いた。鉄道ファンでごった返しているかと思ったが、12:30 時点で誰もいない。笹川駅は改札内には待合室が無く吹き曝しでトイレも無く、用を足すには改札を出ないといけないという大きな問題があった。この寒さでトイレに行かずにあと2時間ももつかどうか心配になる。

万全の防寒対策をしたつもりだが、屋根と三方を囲っただけのベンチで風に吹かれていると、それ程の効果は無く寒かった。

駅の外ではテントが並び、SL出発を祝う記念式典が執り行われていた。ゆるキャラも登場し、人もまばらなのに愛嬌を振りまいている。まずい事に、列車内で用を済ませておかなかったため、トイレに行きたくなる。SL が来る時間を聞いたが、Sl は下りだしもちろん SL の指定席券などは持っていない。大回りなので、SL を見送ってから上り列車に乗らないといけない。

この辺の成田線は1時間に1本程度だし、地元の人は駅舎の改札の外の待合室やトイレを利用するだろうし、そもそも列車内にトイレがあるので、改札内にトイレがある必要が無いようだ。何という大間抜けなんだろう。SLは見たいのでいっそ大森からの差額を払おうかとさえ思ったが、大回りの人間がそれでは恥ずかしい限りなので、計画段階で「笹川がダメだったら小見川に行こう」と思っていた事もあり、上り列車に乗って列車内にトイレがあればそれを使用する事に。ひょっとしたら笹川ですれ違いのために何分か停車して、用を済ませてホームに戻れるかもとも思ったが、スマホに保存した時刻表を見るとその可能性は無い。しかし「大回りの乗客、駅で立小便して逮捕」と恥をさらして有名になるわけにもいかないので、ホームに近づく列車の窓ガラス越しに中に目をやり、トイレがあった車両に駆け寄り急いで乗る。隣の小見川までは5分しかない。荷物と上着を座席に放り投げ、トイレを開ける。誰かが使っていたらアウトだが…幸い空いていた。小用を済ませ、上着を羽織って荷物を背負う。この車両は、鉄道に詳しい人だったら、2号車 モハ208-2162 と記すのかな。

小見川に着いた。改札内に周囲を覆われた待合室は無いが、トイレはあるし、ここのトイレの水は、少量を口に含んだ限りでは飲めなくはない。ゴミ箱もある。

というわけで改札脇の、室外機の風に晒されるベンチでティータイム。しかし、ジャーポットに居れた熱湯が冷めてぬるい。この寒さだし11時間ぐらい経っているから仕方ないか。紅茶はぬるいとマズいのだが飲む。ここでモバイルバッテリにトラブル。自宅でテストした時は充電できたのに、持参していざ充電しようと接続したら、電源がつながった事を示すLEDは点灯するものの、3-4秒後には充電しなくなってしまう。何べんやってもダメ。スマホもガラケーも同症状。充電は断念。やれやれ、電池の消耗は気にせずにスマホやガラケーが使える筈が、電池を節約しないと SL その他が撮れないという羽目に。

まだ時間がある。この SL のマークの所に先頭車両が来るとの事。雨の中に時々、白い物が混じる。寒いので、風が吹かないトイレの中で待とうかとさえ思ったが、浮浪者みたいで不審だからそれは思いとどまった。

ついに、汽笛の音を鳴らしながら SL が来ました。

SL を見たので、随分と長居した小見川駅を発つ事に。みなさん、地元の人ばかりで、入場券を購入して SL を見たら、改札を出ていった。電車に乗って遠くから来たという人間は、私だけの模様。上りホームに渡る。

上りホームから写した SL の横断幕。間抜けな事に、手袋が写っている。

ホームで待つ乗客は帰宅する高校生が多い。この列車に乗ったのだが、間抜けな事に、以下同文。

成田に到着。冷え切った体は、列車内の暖房でかなりの程度、温まった。ちなみに成田までの列車は、窓が雲って車窓の景色は全く楽しめなかった。

成田線を我孫子で降りたホームで、やよい軒の唐揚げそばを食べようと思ったが、店は行列ができていた。

空いている他のホームを探す。営業していないホームもあったが、京浜東北線のホームの店が並ばずに食べられた。このから揚げは、確かにでかい。もっとも、そばや汁はとりたてて美味というわけでもないかな、という個人的な感想。から揚げも揚げたてとはいかない。でも腹一杯になる。年齢的に若者ではないので、この次はから揚げ一つのを頼もうかな。

我孫子のホームの待合室。こういうのが笹川や小見川にあれば、と思うが。

目的は達したし、ここまで来れば後は本数も多いので時間などは適当なのに乗っても帰れるのだが、17:55 の列車で新松戸へ向かう。気が付けば、ハクキンカイロが力尽きたように消えていた。14時間か。取説だと18時間なんだが、こんな物かな。代々木上原行きに乗ったが、柏のあたりで混んできた。大回りの分際で座席を占有する事は許されないという考えを持っているので、席を譲った。

新松戸では何だか寒いなと思った。ハクキンカイロが消えたせい、ではなく、明日の予報が雪という事もあって気温が下がってきたのだろう。駅は3階構造の路線が交差するちょっと複雑な駅で (JR東日本の駅構内図をご覧ください) ここの乗り換えは迷う事があって苦手としている。待合室は武蔵野線ホームにしかないようだ。常磐線すなわち1・2線から、武蔵野線すなわち3・4番線に乗り換える場合だが、4番線は東京・舞浜方面になる。代々木上原方面すなわち進行方向にある階段を上ると3番ホームで、府中本町行になる。階段を上がる途中で階段が左右に分かれるのだが、回れ右をするようにして右の階段を上がったら、実はそちらは降りる方の階段だったらしい。ガラ空きだった階段は、到着した武蔵野線の列車からの乗客の波がドバッと押し寄せ、階段を急いで降りてくる。ほとんど、四車線の国道を逆走する一台の車のような状態になってしまい、雪崩のように押し寄せる乗客は前の乗客しか見ておらず、間抜けな大回り愛好者がひとりで反対に向かってくる事はなかなか察してもらえず、ビリヤードの玉のような状態に。「ごめんなさい、ごめんなさい」と連呼し何とか乗り切ったが、将棋倒しを誘発しそうで危なかった。もちろん、武蔵野線ホームで乗った列車の写真を撮るどころではなかった。

府中本町で南武線の川崎行に乗る。

川崎は夕方のラッシュアワー並の混み具合。久しぶりに来たため、乗り換えでちょっとまごつく。京浜東北で蒲田に向かう。

ゴーーール!!! の蒲田到着。

改札の手前。今は20時28分。140円切符を手に記念撮影。有人改札で大回りしていましたと告げ、無効印を押してもらって駅を出る。

あとは自宅まで無事に歩いて帰るだけなのだが、次第に若さの無くなっている私の事だから、そのうち自宅から大回りの起点・終点駅まで歩いて行き帰りするのがキツくなって、バスやタクシーを使う日が来るのかな、とも思ったり。とりあえずは、運動不足なんだろうけれど。

唐揚げそばは汁まで飲み干したせいか、お腹は空かないが喉が渇く。道すがらにオレンジジュースを買って帰宅。9時半だった。

4時間睡眠で始発から列車に乗ったりしたのでボロボロに疲れ、風呂も入らずにすぐに寝た。

「それにしても」と私は思った。「ミスを連発し過ぎた。自分はもう腕が鈍ったというより大回り初心者の立場なんだと理解すべきだな」

予算

140切符
380吉野家、牛丼並
450木更津、弁当
540そば、唐揚げ2個
1510合計

旅程

計画段階のもの。

到着出発乗換
03:30自宅
04:28大森
04:4904:55秋葉原
05:4405:46千葉[1番線着/3番線発]
08:5008:54安房鴨川
10:2210:25大網
10:4211:15成東
12:0812:14松岸
12:34笹川
Sl 見物
15:36笹川
16:2716:38成田
17:19我孫子
18:02我孫子
18:1518:23新松戸
19:2619:32府中本町
20:1320:18川崎
20:24蒲田

関連リンク

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