Last modified: Sun Feb 15 23:31:50 JST 2004
南カリフォルニア貧乏旅行記
カリフォルニアの旅行程度であればガイドブックや資料が山ほどあるから、わざわざ私が Web を書くまでもないだろうと思っていた。そして、実際に旅行する前は、ガイドブックを見て、アメリカはあまり安上がりに旅行できないと思っていた。安い宿や店がほとんど書かれていなかったからからである。
しかし行ってみた結果、「日本のガイドブックには、安上がりに旅行するノウハウが意外と書かれていなかった」と感じた。理由は・・・オーストラリアで発行されているロンリープラネットのガイドブックの冒頭を見れば、察しはつく。 (ただし、断言はしない) こう書いてある。
ロンリープラネットは広告を受け付けません。筆者は良い評価を書く見返りに支払いや割引は一切受けません。
実際、ロンリープラネットを読んでも、広告は一切、載っていない。まさに硬派のガイドブックだ。
一方、日本のガイドブックは複数見たが、広告のオンパレードだ。そして随分と値の張る宿、そして、常識的に「こんな所で買い物なんかするか、フツー?」といった店ばかり載っている。
それで、極論を言えば、ロンリープラネットのカリフォルニア編、または、英語になるが Let's GO! California を読んで旅行すれば、アメリカの節約旅行ができる。そういう人は、別に私の Web は参考にしても、しなくても構わないだろう。以下に書くことは、ちょっとした補足のような物だ。なお、対象としては、英語は旅行には不自由しない程度にできる人を対象にしていて、どちらかというと男子学生向きかな。宿が、女性 (特に、綺麗でおしゃれな所でないとイヤだという向きには) には参考になるかどうかわからないからである。登山やキャンプを楽しめるようなタイプの女性なら大丈夫だろう。
現在英語が出来ず、旅行に行くまでに努力してブラッシュアップするのも嫌だという人は、このページを読むのは止めてお金で解決しよう。添乗員付きのツアーで行けば助けになってくれる。ツアーが嫌ならガイドを頼もう。
カリフォルニアの勧め
何といっても航空券が安い。シーズンオフで、航空会社を選ばなければ、3万5千円とかで行ける。
国内旅行より安くあがるぐらいだ。そして (沖縄や小笠原なら別だが) 日本の大抵の所よりも冬、暖かい。滞在中の費用に関しては、私は平均して1$日40位で済ませられた。
ただし、そこまで節約すると、「旅行していても楽しく無い」と感じるかもしれない。
もちろん、一番大切なのは、楽しい旅行経験のための出費は無理に削らず、無駄な費用を削るという事である。
何が無駄かは人により異なるし、
その意味では、貧乏旅行にも人によって下限は決まる。
カリフォルニアの良くない所
やはり治安ですね。アメリカだし。ホームレスが多い。
ホームレス自体は金をせびられたら「なんですか?」などと日本語でトボければ諦めてくれたので別に問題はなかったが、反面、大金持ちも多くて、ここまで貧富の差が激しい国なのはどうかと思う。
「この都市はどの地区が危険か」というのは頭に叩き込んでおく必要がある。
それでも夜出歩ける場所は少ない。悪いことに、冬は午後 5 時頃には暗くなってしまう。
節約する方法
- ユースに泊まろう。$20前後と安上がりで、世界各国から来た若者と知り合いになれるし、日本人とは情報交換もできる。
- 公共交通機関を乗りこなそう。サンディエゴの 5day-Tripper は $15 だ。
ロサンゼルスの Weekly Pass は $14 で 7 日有効。これで乗り放題。
レンタカーではこの値段にはならないだろう。
→ たとえ地元の人間が公共交通機関では市内をうまく移動や観光できなくても、
地図さえあればルートを把握するのは簡単だ。バスの運転手は友達みたいな物だ。
挨拶をして「○×に来たら教えてください」と頼めばいい。
- 買い物は Ralphs や 99cents only shop (100 円ショップみたいな物) などでしよう。
日本のガイドブックに書いてあるようなブランド店や高級レストランで毎日散財する必要など無し。99cents only shop では、傘や爪切り、パン、バナナ、米まで売っている。
義理土産もここで買い込むといい。クッキーの類なら「お買い得」感もあって、十分に土産になる。
- 自炊すると安い。ユースにはキッチンがあって無料で使える。
99cents only shop で 600cc 程度はあるビーフシチューの缶詰を買って、温める。
パンも 99セントでどっさり買えるので、もうこれだけ食べれば動けないぐらいにお腹が一杯になる。デザートにと買ったバナナも、99セントで12本とか入っているので、もはや胃袋には収まらない。ユースで知り合った旅行者に「どうぞ」と勧めても、向こうも「99cents only shop が安いので、つい買い込んで・・・」と断られる有様だった。
- 食べ残しの食料はユースの冷蔵庫にしまい、
翌日の昼の弁当にしよう。結局、$3 で夕食と昼食を賄えてしまう。
朝食はユースで出る所もあるため、場合によっては「今日は $1.50 で紅茶を飲んだ以外に出費が無かった」なんて日もある。
- 弁当無しで出かける場合でも、セットメニューなら $7 位で食べられるので探してみよう。
飲物が付いているか、確認しよう。
値頃なセットメニューだと思って飲物を一緒に注文したら、 $2 以上高い値段を請求された時は「うかつだった」と思った。
- スーパーの外に洒落たベンチとテーブルが置いてある店もある。
地元の人が、買った食料品をそこで食べていた。
こういう所なら、それほど貧乏たらしくは無い。
- ユースにいる時はコーヒーや紅茶がタダで飲めるので、外で$2〜3 も払って飲む事は極力しない。 (紅茶を2杯飲んで観光に出かけ、帰ってきたら紅茶を飲む) 水は水道水を飲もう。大丈夫、アメリカは先進国だ。消毒ぐらいはしてある。
- インターネットは公共図書館でしよう。身分証明書を見せればタダで使える。
詳細は図書館によって変わるので、聞いて教えてもらう事。
私があえて節約しなかった所
- ロサンゼルス → サンディエゴはアムトラックで $25 だが、海沿いを走るので楽しい。
行きも帰りもバス、というのよりちょっとだけ高いが、その価値はあったと思う。
ちなみに帰りのグレイハウンドは $13 だった。
→ これ以上は節約のしようが無い。ちなみに、ヒッチハイクは危険なのでしない事。
(旅行中に知り合って、色々話し合って、ある程度相手の素性が解って「乗っていかないか」といった風に好意を示される場合なら例外的に可能な場合もあるかもしれないが、見ず知らずの人間に乗せてもらうのは危険。女性は特に危険である)
- シーワールドとユニバーサルスタジオの共通入場券を、確か $83 位で買った。
→ はるばる旅行にきて、「何? 高い!」とばかりに「あれも見ない、これも見ない」では何のために旅行しているのか判らないから。
- ATM で現金を引き出すと $2 とか $1.50 とか手数料を取られる。
しかし、手数料の少ない機械を探し回って貴重な旅行の時間を費やすのはバカげていると思う。
(たまたま安い所があったから降ろしておく、程度なら構わないが)
私のルート
私はガイドブックの代わりを書く気は無いので、
網羅的な案内はできない。「私はこう旅行したけれど」というのは紹介できるし、
私の選んだルートは、悪くなかったと思うが、最善というわけではない。あくまで参考、プランの一つだと思って欲しい。
ロサンゼルスの空港から無料のシャトルバスで Parking Lot C に行き、ここで 75 セントの Big Blue Bus 1本でサンタモニカ、そしてユースへ。
→ サンタモニカはロサンゼルスでは治安がいい所である。それに、空港から近い。
まずここを中心に観光して「アメリカ旅行の練習」をする。
サンタモニカから Big Blue Bus で Union Station に行き、アムトラックでサンディエゴに。
→ グレイハウンドのロサンゼルスのターミナルは、治安が悪いことで評判の地区にある。
ロサンゼルスは右も左も判らない状態で、そういった場所に自力で一発で行く事は、自分の能力では無理と判断。それと比較すると、Union Station はサンタモニカで 10番の Big Blue Bus に乗りさえすれば、終着まで乗っていれば駅に着くので楽チンである。
(タクシー等でお金をかける位ならアムトラックに乗る方が安上がりだし、行きも帰りもバスというより変化があって面白いと思った)
サンディエゴを観光。見所も多く、しかもバスなどで回りやすい。ロサンゼルスより治安もいい。
サンディエゴのグレイハウンドの乗り場は、治安に問題の無い街の中心部にある。
ロサンゼルスのターミナルまでの切符を買うのではなく、ハリウッドに行く方が安全。
値段は一緒である。ロサンゼルスのターミナルで連絡バスに乗り換えればいい。
(乗り換える方法ぐらいは自分でインフォメーションで聞こう。聞くだけの英語力が無ければ帰りもアムトラックにすればいい)
→ ハリウッドのターミナルは小さくて、出来たばかりで綺麗で、ロサンゼルスのターミナルよりずっと安全な地区にある。ハリウッドのターミナルからユースは歩いて行けるので好都合。
ハリウッドは安い宿が多い。
ハリウッドの観光名所などは歩いて行けるし、
ユニバーサルスタジオは地下鉄で駅2つというのも便利。
ここを拠点にすれば地下鉄とバスでロサンゼルスのどこにでも観光に行けるのも好都合。
(ただしハンティントン・ライブラリーだけは別。ここはどう行っても最寄の地下鉄駅から1時間程歩かないと駄目。逆に、ノートンサイモン美術館は、ハリウッドからバス一本で美術館の前に行く。もっとも、一時間半ぐらいは乗りますけど・・・パサデナ地区にあるので)
→ この頃にはアメリカにも慣れて「どの辺は夜は歩いたら駄目」とかも判るようになっているだろう。
ハリウッドから一気にロサンゼルスの空港に帰る。
朝6時に起きて、7時過ぎにはユースを発ち、
地下鉄を3本乗り継いで、最後にはシャトルバスに乗って空港に行く。
神奈川の中央部から成田空港に行くのと同じ位に大変だった。
ただし、運賃は地下鉄しか乗らないので、 $1.25 で済む。
ネット上の情報
宿泊
国際ユースホステル連盟加盟の所
ポイント: ユースの予約は IBN (International Booking Network) か、ユースの Web でオンラインで可能な所もある。
民間でユースを名乗っている所
ユースホステル連盟に入っている所と比べて、
規則がゆるやか(大雑把)。
タバコ臭い、バーと称する部屋があったり、
しかしハリウッドにはユースホステル連盟の所は無いし、
USA Hostel は安いので「この値段では文句は言えまい」といった所。
気になった点:
- 初日は部屋が停電で真っ暗だった。
- 部屋のトイレが壊れていて一晩中、水が流れっぱなしなのが、ついに帰国日になっても直らなかった。
- 毛布が一枚なので寒い。借りると $1 取られる。着込んで寝よう!
いずれにせよ「道路で寝るよりはマシだ」「男だったら泊まれる」「日本の女子大生も結構、泊まっていた」といった所。
交通 (市内)
ポイント: 最初に交通局に行って、詳しい地図や、乗りそうなルートの時刻表をもらうと便利
無賃乗車は $200 の罰金との事。
交通 (長距離)
当日に窓口で買えたが、前日あたりに事務所に寄る機会があれば、あらかじめ買っておいてもいいかもしれない。
いずれにせよ、「この辺は安全だ」と判っている、良く知っている場所に行くのでない限り、到着が夜にならないように考えてスケジュールを立てよう。
割引入場券
窓口で買えるので、事前に買う必要無し。
ショッピング
旅行準備編
航空券
ロサンゼルス単純往復なら元から安いので、「1000円でも安い所を!」と血まなこになって探さなくてもいいだろう。
ただし、
- 週末発は高い。
- 早割が使える時期を過ぎると高くなる。
というのは、あらかじめ考えておけば良かったかな、と後悔。
HIS 株式会社様の、ノースウエストの場合の料金例 - あくまで参考例
マイレージ
クレジットカードとの併せ技
- 初年度会費・入会費無料のキャンペーンを利用し、入会マイルを貰う。
(マイレージ関連情報 参照)
- 航空券はわざわざカードで買ってショッピングマイルをもらう。
- 海外旅行保険はカードので代用する。
- ファーストフライトのボーナスマイルを貰う。
- 一年経つと年度会費を取られるので、その前に退会する。
これで、ロサンゼルスを往復するだけで、無料航空券を Get! します。
(もっとも、マイルが貯め易い NW 便利用だったので、航空券が「底値」ではなかったですが、、、)
ユースホステル
大学の生協で入るか、オンライン入会する。