クレジットカードが板キレに

ルーブルの価値下落、ならびに、しばしば海外基軸通貨との両替が停止の やむなきに至っているなどの最近のロシアの混乱した金融情勢のため、 クレジットカードの通用度が低くなっているという情報をキャッチしました。 特に問題になるのは、今のロシアでクレジットカードを使って米ドルのキャッシュ・アドバンス (要するにキャッシング)をしたいと申し出ても、無駄です。 ロシアの市民が、なけなしの給料の価値の目減りを防ごうと、 ルーブルを米ドルに両替したくても、ドルが手に入らなくて困っているのに、 プラスチックの板キレ(すなわち、クレジットカードの事)で「米ドル下さい」 と言っても、なおさら無駄です。

なお、米ドル現金からルーブルはさほど支障無く両替可能なようです。 20ドル程度の小額紙幣を幾らか持っていって、それでルーブルを手に入れて 地下鉄に乗ったり街で買いものをすればいいでしょう。100ドルとか 両替すると、使い切る前に目減りして損です。 なお、どの程度ルーブルで買いものが出来るかどうかは、 あなたのロシア語力に大いに左右されます。 (ハワイで自分で英語で買い物が出来ない人がいるのと同様ですが)

日本円は、ソ連時代は米ドルと変わり無くルーブルに両替できましたが、 ロシアでは米ドルに比べて損なレートでしか両替できないので、日本で 米ドル現金に替えてから持っていく方がいいでしょう。

また、確認は取れていませんが、 カードでルーブル建ての買い物をする事自体も困難ではないかと思われます。 なぜそう思うかというと、カードは買い物をしてから、引き落として決裁される まで1ヶ月以上、かかります。1週間でルーブルの価値が半分になるような事が 起きた今のロシアで、買い物をした金額を、 1ヶ月後の為替レートで支払ってもらった所で、大損ですから。

こういう時は、カードよりトラベラーズチェック、また トラベラーズチェックよりは現金、となりますが、個人的には 米ドルのトラベラーズチェックなら、原理上、カードよりはまだマシではないかと 思っています(銀行は100ドルのトラベラーズチェックを受けとれば、 それで決裁すれば100ドルが手にはいるはず)が、確認は取れていません。

世界の秘境と呼ばれる所を旅行すればわかりますが、 カードの通用度には限度というのがあります。 クレジットカードなんて、原理的には、 しょせんクレジット(信用、という意味)の付いた プラスチックの板キレに過ぎないので、「お金では無い」という事を理解する 必要があるでしょう。まして、「ここはロシア」ですから、 お金(米ドル)が無ければ、ルーブルは手に入らないという事。

ロシアでカードを使おうというのが間違いですね。