2016-07

(2016-0704)

ダッカ人質事件

「不謹慎だ」と不快感を示される方もいらしゃるとは思いますが、今もやむを得ず政情不安な国で仕事をなさっている日本人の方々が少しでも被害に遭う事を避けられるようにと思い、私のささやかな経験をお伝えしたく思います。

もう前世紀の事になりますが、私は中東を旅行しました。当時は比較的平穏でしたが、テロの危険が高かった頃もそれ以前にあったので、念の為にこのような注意をしました。

代わりに、このように心がけました。

ポイントとしては、「もし自分がテロリストだったらどういう場所を狙って襲撃するか」というのを考え、そういう場所を避ける事です。テロリストの目的は

今回の事件では、このような報道がなされています。

犯人「日本人残せ」 バングラ人解放、その後銃声 (中日新聞 2016年7月4日 朝刊)
露出度の高い服を着たりアルコールを飲んだりする外国人がイスラムの普及を妨げているとスタッフに不満をぶつけた実行犯。
恐怖のバングラ・テロ、外国人を選別、コーラン暗誦を要求 (株式会社ウェッジ 2016年07月04日)
襲撃犯は「ベンガル人は殺さない。緊張しなくていい。われわれは外国人だけを殺す」と話し、ドアを開けさせた。 (中略) 襲撃犯は外国人からアルコールの臭いがすると嫌悪感を示し、「彼らの生活スタイルは地元住民を汚染する」と述べた。

他には大使館や政府関係の建物の近く、警察署の近く、軍関係の施設の近く、バザールなど人の集まる所、対立する宗派の宗教施設の近く。これらはテロリストに狙われやすいので、なるべく避ける。 (幾ら宗派で対立していても、さすがに聖地は狙わないです)

5月に外務省からテロを呼びかける声明の発出に伴う注意喚起も出ていたのに、わざわざ外国人旅行者が多く集まる酒を出すレストランで現地に派遣された日本人が揃って会食してたか、、、と思いました。もちろん非難されるべきはテロですし、酒を出すレストランで会食する事が悪いわけではありません。ただ、外国人が集まる酒を出すレストランが恰好のテロのターゲットにされる恐れのあるような治安上に特別な注意が必要な地域に滞在していて、テロに遭って殺されてしまってから幾らテロを非難しても、生き返るわけではないので。

赴任していらっしゃる方とそのご家族は、改めて外務省の注意を遵守していただき、出張は取りやめてTV会議や電話会議で何とか対処する、そしてまず家族そして赴任者を帰国させ現地人で何とか仕事を回すあるいは撤退、でしょう。


(2016-0706)

聖地でテロ

お詫びと訂正です。メッカに次ぐイスラム第二の聖地、サウジアラビアはメディナにある「預言者のモスク」という所のすぐ近くで自爆テロが起きました。ラマダン期間中は約200万人が訪れていた場所との事です。

シーア派の住民やモスクを狙ったテロは、ダーウィッシュ (過激派組織IS) はよく起こしていましたが、預言者ムハンマドの霊廟まで攻撃するとは。

よって、聖地近くで地元の人が経営する静かな宿屋なら襲撃される可能性は低いだろうという見立ては、通用しなくなりました。

「これで怒らないイスラム教徒っているのかな」という方は、良くわかりません。