Last modified: Sat Jan 5 19:38:58 2002

追記:現在では死ぬ覚悟のある人だけがイスラエルに行けると思って下さい。


あなたは個人旅行に向いているか

私は、個人旅行なので、ニュースでイスラエル情勢を睨みながら、 最終的には2週間ほど前に出発日を決定しました。 イスラエル兵とパレスチナ警察が銃撃戦をしたと報道され、 レバノンからはミサイルが着弾するなどで、 「訪問など、到底無理ではないか?」と一時は諦めていたような状態で、 それより前は、航空券の申し込みが出来ずにいました。

私が 1993 年にヨルダンのビザを取る関係でエジプトの日本領事館を訪れた時、 イスラエルも行こうかと思っている事を伝えたら、 1人で中東を旅行するなんて冗談じゃないと説教されました。 私は割合英語が好きで、結構個人旅行していたのですが、 トラブルを起こされると迷惑だと考えているようです。 それで(死んだ時に身元確認しやすいように)指紋まで取りました。 あれから時は経ちましたが、 私は今回の旅行に先立ち、安全を確保するために

ですから、私が個人で行ったからといって、みなさんに「絶対個人で行くべし」とは言えないですね。 あなたの旅行術のレベルによるからです。少し極端な例かもしれませんが、

といった人にイスラエルに1人で行く事を奨めるなど不可能です。 行ってもトラブルに遭うのは目に見えています。 せいぜい現地の大使館にSOSして迷惑をかけるのがオチでしょう。 今日外務省の Web を見ても、 個人旅行では自分の身は自分自身で守る事が書かれています。

おおむね、1人で旅行できるためには、「英語で飛行機の予約の変更が出来る」 というレベルですね。理想的には、「英語でクレームをつけられる」程度です。 イスラエルでは A地区、B地区とは何か、どの都市が該当するか、 あたりの知識も必須でしょう。

クレームは、「(正当な)主張をする」で、文句は complaint です。
しかしイスラエルは英語が良く通じるので、英語さえ出来れば、 常に近隣諸国と紛争をかかえ、国内でも、 自分が武力で立ち退かせたアラブ人(パレスチナ人)との紛争を抱えているので事態が急変し得るといった特殊事情とその背景を良く理解し、 現地ではラジオの英語ニュースを聞きながら「異変は無いか」とチェックし、 何かあったら旅行計画や荷物は投げうってエスケープルートですぐに国外に逃げる(人間、撃たれればそれまでですから)事をあらかじめ考えてあれば、 後は普通の海外旅行の知識があれば大丈夫でしょう。 ですからイスラエルは、 国情に関する知識・旅行経験・ピンチを切り抜けるだけの語学力があれば、 個人でも何とかなります。

日本領事館の注意書き

外務省の Web に、イスラエルではなく、 在マルセイユ日本国総領事館発行の 注意書き になりますが、 掲載されている内容は個人旅行を外務省がどう見ているかを判断する上で参考になるので一部を紹介します。

最近、南仏には、 個人で計画した単独又は少人数のグループでの旅行が増えています。 このような旅行は気軽でいいのですが、いざ事故に巻き込まれた場合、 どこからも援助がありません。 総領事館でも法的に援助できないことがありますから、 自分たちで解決する必要が出てきます。 「今まで何のトラブルもなかった。」からといって、今後何もない保障はありません。 事前の準備をしっかりとして、身勝手、気ままな旅行を謹んでください。


イスラエルは山登りの様な物でしょう。 天気が良ければ軽装のサンダル履きでも頂上に行けます。 しかし急に温度が下がり、雨と風が強くなれば、 山小屋に逃げ込んで危険をやり過ごすとか、エスケープルートで下山するとか、 そういった事を考えておかないと、 「山の危険を甘く見た」という結果になるのと同じような物でしょう。 いざとなると、知識・経験・体力が物を言うわけです。 無謀な軽装登山グループが天候の悪化でメンバーの中から犠牲者を出す事があるように、グループだから安全とは限りません。 もっとも私の場合は、いわは軽装登山でOK的な好条件でした。

逆にツアーだからといって過大な期待はできないと思います。 「テロや戦乱による被害に関しては補償しない」と書いてある契約書など読まずに、 ツアーなら何とかしてくれるはずだと考える人が多いと思いますが、 以前にエジプトで日本人が10人殺されたのはパッケージツアーです。