私が独学で英語を勉強した方法

私は2011年にTOEICを受験し、895点でした。帰国子女ではなく、留学経験が無く、英文科でもなく、海外赴任経験も無く、英会話学校にもほとんど行かなかった(準1級の2次試験対策で週に1回1時間のコースを3ヶ月)、すなわち「ほぼ独学」な人間にしては、いい線行っているのではないかと思います。

近年 「聞き流すだけで英語が話せる」と謳う教材の宣伝が盛んになされ、それを真に受ける方が増えましたが、

ふざけないでください。

英語をやるなら死に物狂いで勉強してください。一番、必要なのは、お金や教材ではありません。努力と根性です。犠牲を払ってでも英語ができるようになりたいという覚悟も必要です。(犠牲になるのは、時間です) なお、くだんの教材は極めて高額だという事を指摘しておきますが、高額英語教材は大昔からあるので「何を今更」な感もありますが、英語力はお金で買えるような甘いものではありません。

菊池健彦さんという方が記した『イングリッシュ・モンスターの最強英語術』(ISBN 978-4087860016) を見ると、偶然かはたまた必然か、私の勉強法と似た方法で、しかし私より遥かに努力し卓越した成績を収めています。図書館などにも良く蔵書されていますので、是非ごらんになる事をお勧めします。

現在は二ヶ国語放送も増え、またインターネットとPCまたはタブレットがあれば、一日中、生の英語に触れる事ができますし、Skype 等で低価格で会話の訓練をする事もできます。活用しない手はないです。

小さいお子さんの英語学習のヒント

良く質問を受けるので、幾らかまとめておきます。

このように、「英語が苦手なら、良い教育の機会が得られなくなる」と言っても過言ではありません。

小学校の低学年であれば、まずは NHK のプレキソ英語を録画して、繰り返しお子さんに見てもらって英語に親しんでもらうのはいかがでしょか。


リンク

追記

2015年1月22日のNHKが驚くような報道をしていました。
県教育委員会によりますと、和歌山県は英検=実用英語技能検定で準1級程度の英語力を持つ教員の割合が全国平均を大きく下回り、教員のレベルアップが課題となっています。
今でも英語教師は準一級も持ってなくてなれるのか…だったら私を英語教師に採用した方がマシじゃない? だって、英語ができないという事が証明済みの人間を英語教師にしたって生徒が英語ができるわけがない。

以下は随分と古い内容ですが、よろしければご照覧ください。


ありがちな内容ですが、私の英語の勉強法を紹介します。 ところで、目を閉じて、今アメリカで生活している所を想像してください。 おそらく、TVやラジオからは英語が流れているでしょう。 部屋にある本や雑誌も英語です。 こういった環境であれば、英語の上達も早いに違いありません。

かつては国内で24時間、 生の英語が聞けるメディアと言えばFEN(現在のAFN)しかありませんでした。 それで、私はもっぱらAFNを聞いて英語を学びました。 しかし、今では技術の進歩により、 衛星経由で英語のTVやラジオを視聴する事が可能となりました。 また、 短波放送もPLLシンセサイザー方式のものは待ち受け受信が可能で撰局しやすく、 受信周波数の変動も無く、適当なアンテナを張れば良好に受信出来ます。

投資費用/効果を考える必要もあるかと思いますが、 英語のために多少の投資はいとわないというのであれば、良いと思われる順に

  1. 24時間アメリカのTVを見たければ、CSの衛星でCNN等を受信する。 費用は、チューナーとアンテナで5〜7万円程度、 月額受信料は幾らか判りませんが、1000円かそこらだと思います。 なお、デジタル衛星放送ではアンテナの位置合わせは専用の測定器を使わないと調整できないので、素人工事はできません。
  2. 大阪有線放送でVOAやNPR、BBCやWRNが24時間聞けます。
  3. TVの2ヵ国語放送や、AFNで頑張る。費用はかかりません。

ちなみに私は「英語は日本で学べる。 アメリカなどに行く必要は無い」という考えは持っていません; 反面、全然英語が出来ない人が「渡米すれば何とかなる」という考えにも賛成しません。 「日本でも狂った様に英語を勉強すれば、結構いい線まで英語は身に付く。 渡米してさらに英語を学べば、より良い結果が出る」という考えをしています。


私は学校の英語の予習・復習は全くせず、 家でAFNやNHKの語学講座を聞き、TIME(写真の説明を見るのがやっとでしたが)を見ていました。 英語の先生からは「そんな勉強法はやめなさい」と言われました。 英語の成績も良くなかったです。

私の学生時代は英語の先生は英語が喋れないのが普通でした。 (例外は2年次に担当していただいた仁礼子先生だけです) ですが、私は「本当に英語ができるようになりたかった」ので、 学校の英語とは違う英語の勉強をやったのです。 ちなみに、中学1年の時の先生は、あまりにも能力が低く、 授業もいい加減だったので、 「こんな先生じゃ、英語が苦手になってしまう!」という危機感を持って、それで、 学校の授業を当てにしない英語の勉強法を身につけるしかなかったのです。

塾に通っていなかったクラスメートは、 学校でまともな英語を教わる機会を失ったので、2年で既に「英語は悲惨」でした。 ちなみにその先生はPTAからクレームが来て翌年は転任しました

そういえば、高校の先生もあんまり良くなかったです。 私は2年で2級を取っていましたが、先生も2級で、 間違いを教える事が多かった(発音記号のロングiはショートiを長く発音した物だと教えたのにはあきれてしまった)ので、 「2級が2級に教えるのか!」という考えが心にありましたね。 今、考えてみると、あまりいい生徒じゃなかったと反省しています。

最近の学校の先生は英語が話せるのだろうかと思って現役高校生に聞きましたが、 「1人だけ話せる」という答えでした。あまり状況は変わっていないようです。 ですが、皆さんの学校の状況はそれとは違う可能性もあるので、 「学校の英語は勉強するな」とは言えません。 もっとも、個人的には「実際に英語を喋ったり、 ネイティブの英語を聞きとれない先生の教える英語は、変な英語だろう」とは思います。 正しい英語の知識はあるが、喋ることはできないというのはおかしいですから。

ただ、いずれにせよ、今ではラジオやTVでさまざまな英語の講座があり、 英語の雑誌や映画やドラマを存分に利用できるのですから、 自分から英語を学ぼうとしないから英語ができるようにならないという結果を、 教師や学校における英語教育に責任を求める事はできないでしょう。

さて、英語は「知らない」わけではないのです。読めば多少は判るでしょう。 ですから、知っている英語を聞いて判る回路を頭に作ればいいのです。 ところで1日に英語を何時間聞いていますか? コンピューターにしろ野球にしろ勉強にしろ、 うまい人は「全然練習しない」とか「やっても1時間」という答えは帰ってきません。 英語も同じです。1時間の人は1時間の上達にとどまるのです。

生のヒアリングでは、速度的に聞いて英語のまま直接理解しないと間に合いません。 その訓練が必要です。 速度を手加減した教材も初歩の段階ではそれなりに有用ですが、 これをいくら聞いても英語のまま理解する助けにはなりません。

英語が「勉強」であるうちは続けるのには努力が必要です。 ですから日本語でTVや雑誌を楽しむように「英語を楽しむ、生活の一部にする」を考えることにより英語力のUPが計れると思います。

AFNはラジオつければ向こうが24時間流してきますから、タダですね、、 AFNの内容も、音楽有り、ニュース/解説あり、スピードも様々ですから、 楽しめる番組を選ぶ事が出来ます。 タイマー付きのラジカセと120分テープがあれば番組を選ぶ事もできます。 ランニングコストは非常に低いと思います。

AFNでは正解がわからないからいやだという人は、 NHKの英会話番組を利用すれば良いでしょう。 これはテキストも安く、聞くとためになります。 録音すれば繰り返して聞く事ができます。

そうするうちに英語で考える回路が頭の中にでき、 英語が上達するうちレベルが上がって、ある日突破口が開け、 英語で直接理解出来るようになり、自然の速度について行けるようになります。

ですからNHKとAFNとTVの副音声の、 より本格的には衛星放送のCNN等でほぼ一日中英語に浸る事が出来ます。 これにより、アメリカに住んでいるも同然の環境に自分を置く事が出来ます。 これを当分続けることにより、英語力のUPを計るのです。


目次

私がAFNで英語を勉強した方法

英語は本当に必要ですか?

今勉強するとしたら

マルチリンガルの勧め

言語の大脳生理学・生物学的基礎

私にも英語が出来ますか?


AFNの聞き方 レベル1

私が「AFNを聞いて少し分かる」と言うと凄い事の様に感じられるかもしれませんが、 2つのコツさえつかめば誰にでも出来ると思います。 ただし「俺は日本人だ」などと決め込んでいる人は除きます。

  1. 速さに慣れる。
    音を聞いてローマ字に直し、 日本語に直して理解するなどといった事ではいつまで立っても「AFNは速過ぎる」事になります。 英語を直接理解する癖をつけます。 green と聞いたら「緑」ではなくて目の前に緑色を思い浮かべるようにします。 ちょっとした発想の転換ですね。 また漢文の解読ではないのですから、行ったり返ったりしない事も必要です。
    Would        it    be all right if  I take a picture of you?     は
    丁寧な質問  それ     いい   もし 私 写真を撮る    あなた、
    
    で理解します。

  2. リダクションに慣れる
    例えば母音が後に伴わないtは発音しなくて構いません。 少し「間」を置いて発音したことにしてしまいます。 英語が発音記号通りには発音されないのはそれなりの理由があります。 ほかにも色々あります。 これをマスターするのはNHKの英語会番組を聞いてください。

AFNの聞き方 レベル2

私が聞き始めたのは単語も文法もあまり知らない中学生の頃だったので 1〜2年は判らないまま聞いていました。 しかし皆さんは単語も文法もある程度知っているでしょう。 ヒヤリング能力だけが無いのではありません;ヒヤリングを今まであまりやっていないだけです。 読んで理解出来るのと同等までは行かずとも、やれば出きるはずです。

高校生の頃の私はポップスが好きでアメリカントップ40という4時間の番組を良く聞いていました。 当時アメリカと日本では流行に一月程も差があり、 クラスで自分だけが新曲を知っているのでちょっぴり得意でした。 そのうち、曲と曲のあいだにアナウンスされる歌手名、 今週の順位が判る様になっていき、 この歌はこの歌手のはじめてのナンバー1ヒットだとか、 このグループはいま何をしているなどの内容が少しずつ聞き取れる様になりました。 私の場合は興味がある所から始めたわけです。 それからはドラマ・スポーツ・ニュース、何でも選り好みせず聞きました。 英語が聞いて理解出来ると英語が好きになってきます。

実践編

集中して聞く(listen)と聞き流す(hear)のをどう使い分けるかに関しては両方とも大事です。 可能ならlistenし、集中力が続かなくなったらhearして一息いれて、 またlistenします。英語がいつでも聞こえてくるという環境が大事です。 部屋じゅうにラジオを置き、つけっぱなしにします。 まくら元にも1台置いて寝入りばなにも聞きます。 寝ても覚めても英語をが聞こえるというのがミソです。 ただしラジオを夜中につけて寝るのには迷惑のかからないように注意してください。

AFNは早くありません。 NHKのラジオのアナウンサー同様ゆっくり、 はっきり発音しています。TVの2か国語放送を聞くとそう思うでしょう。

早く成果を出したい人に − 日本語を禁止する

英語の上達よりも日本語の能力が落ちる方が先に来ます。 しかしここがこらえ所です。乗り越えて下さい。 我慢しているうちに英語が操れるようになってきます。 英語を聞くと気分が落ち着く様になればレベルが1つ上がった事になります。

AFNの聞き方 レベル3

レベル3までやると周囲からかなり異常と見られるかもしれません。 しかし、そんな事を恐れていては英語は上達しません。

英語で考えるのは、慣れると2時間ぐらいずっと考えられる。 例えば次のような事を想像し、頭の中で練習して下さい。

/外人とはなす/英語の先生と話す/セサミストリートの登場人物になったつもりになる/友達と英語で話す/など。 自分の興味の有る事は考えやすいです。 これで日本に居ながら英語で暮らす環境が得られました。 これをどの位、続けたら効果がでるのでしょう? 英語が上手な人に理由を聞くとアメリカの学校に数年留学したという返事が返って来ます。

結論:英語が話せる様になるには英語で暮らす環境に自分を置いて2〜3年はかか る。ちょっとだけ勉強したのではちょっとしか上達しない。

以上ですが、私は決して英会話学校否定論者ではありません。 活用して下さって構わないと思います。 ただ単に、 私の周囲に何年も英会話学校に通っているが英語があまりできるようにならないという人が何人かいて、その人に話しを聞くと、 週に1〜2度、1〜2時間を英会話学校で勉強する以外には自分では勉強していないという人が多いんですね。 私は、それだけでは、勉強時間がぜんぜん不足していると言っているに過ぎません。 ですから、 英会話学校に通っただけで、英語を勉強したつもりになっているなら、 それは間違いです。

英会話学校に通い、さらに家でも英語漬けの生活を送るというなら大賛成です。 授業では「私はこの時間にお金を払っているんだ。必ず元を取って帰るぞ!」 という意気込みを持って下さい。 不思議な事に、他の生徒さんは遠慮がちな人が多いようですので、 これ幸いとばかり何度も手を挙げ、1人で先生と話しまくってください。 「譲り合いの精神」は不要です。 (もっとも、そのうち先生から「あなたはもう散々話したでしょう?」と言われ、 他の生徒を当てようとしますが)

私の英作文方法

私は文法によって英語を組み立てる事はしません。 たくさん表現を憶えてそれをちょっと修正し、並べ変えて伝えたい事を表現します。 悪い言葉で言うと「でっちあげる」のです。 この方法はメリットとして、考えないから早い・表現が英語らしい、 デメリットは文法的におかしくなりやすい、です。 このやり方だと学校では減点されますが、 何のために英語をやるのかを考えてみましょう。 ぴったりの表現を知らないために、一言で済む物が二〜三言になるかもしれませんが、 伝えたい事を相手に通じさせれば勝ち。伝えられなければ負け。 文法は正確でなくとも通じます。表現が英語らしいからです。
ただし発音は文法より大事です。発音が悪いと英語と認識してもらえません。

AFNの番組を選ぶ事はできるだろうか?

AFNは音楽が多いのでちょっと「時間がムダかな」と感じることがあります。 書店でAFNの番組表を立ち読みして見てニュースや Focus on the family などの良さそうな番組をタイマー付きのラジカセで録音しておくといいと思います。 オートリバース機能付きで安いラジカセを利用して24時間英語を聞く方法も考えられます。 連続で使用すればガタが来るでしょうから、保証期間内なら修理して、 過ぎていたら買い替えるのがいいでしょう。

ほかには何があるか?

NHKの英語会話番組は有効ですが、それでは時間が限られます。 最近は2ヶ国語放送が受信出来るTVも多くあります。 TVではセサミ・ストリートや、子供向けの番組はスラングや難解な言葉が出ないので聞きやすいです。 私は大草原の小さな家を英語で見ていました。 今も同様の子供向け番組はあるでしょう。 映画は良いのと悪いのがはっきりしています。 特に戦争映画は軍隊卑俗語乱発物に当たる可能性が高いので、よく選んで下さい。

セサミ・ストリートの利用法

セサミ・ストリートも優れた番組です。 たとえアメリカの読み書きがうまくできない子供向けの番組だとしても。 私が高校の夏休みの間、まとめて放送されていたので全部逃さず見ました。 解らなくとも見る事が大事です。見て解るようになったら、 2ヶ国語放送に進みましょう。 いつまでもセサミ・ストリートでとどまっていてはいけません。

*これより先は私の自説にすぎない事を承知して下さい。 ただし、世の中の英語教材の宣伝を見ると、 これよりもはるかに根拠希薄な説により自社の教材の効能を主張した物が多いですが。

conscious level での理解と subconscious level での理解

conscious level での理解.......大人が外国語を学ぶ時は、 母国語の助けや文法の規則を利用して効率的に学ぶ事ができます。

subconsciouslevel での理解... 幼児が言葉を習うやり方です。 ひたすら聞いて、憶えて、理屈抜きで低いレベルで理解します。 私は語学を覚えるには大抵の英会話学校の方針とは異なり conscious level だけでなく subconscious level で理解する事が大人であっても可能であり、 かつ必要だと考えています。なぜなら

  1. 考えながら喋っていたのでは会話にならない。 空気を吸うように喋れる必要がある。

  2. conscious level での理解ならすでに出来ている。

右脳・左脳と言語の関係

一般に左脳は右脳より優位であると考えられています。 世の中には右利きの人が多く、右手は左脳が動かしているからでしょう。 また、交通事故や脳腫瘍などで左脳に損傷を受けた人は言語能力に障害が出るのに右脳の場合は言語機能が残っているからです。 右脳をもっと活用すれば知力を高められる、と主張する人もいます。 そのために左腕を良く動かす人さえいます。

そうでしょうか? 右脳と左脳は形の上では対称に見えます。 どうして差が出るのでしょうか?

私は右脳と左脳は対等であると考えています。 確かに、多くの人は言語機能は左脳に集中しています。 しかしそれは右脳がサボっているのではなく、 パターン認識などの別の仕事をしているだけです。 言語を操るというのは人間を能力をもってしても脳の左側のほとんどをそのために使わなければならないほど高度な機能です。 ですから、左脳が優秀なのではなしに、左脳は言語にかかり切りになっている、 と考えて下さい。

ではなぜ言語機能は左に集中しているのでしょうか? それは分かれていると左脳と右脳の間でやりとりしなければならない情報が多くなるので片方に集中していたほうが都合がいいという訳です。

世の中に左効きの人が居るように、 言語にも右脳効きの人が(左効きの人ほどは多くありませんが)居ます。 両手効きの様に、両脳効きの人さえいます。 ところでどうやって「右脳効きだ」などと判るのでしょう? それは、実験者の頚動脈に麻酔を注射して脳の半分だけを眠らせる事によって、 区別する事が出来るのです。

英語を覚えている脳の部分と日本語を覚えている部分は違うのですか?

数カ国語を操る人が左脳に損傷を受け、 母国語に障害がでて外国語の方がむしろうまく話せるようになったという症例が新聞にありました。 ここからすると脳はコンピュータのメモリの様に同じ場所に別々の事を記憶は出来ない、とも考えられます。 しかし脳はコンピュータよりはるかに複雑であるし、この一例だけでは結論は出せません。

13才限界説は本当でしょうか?

13才を過ぎると英語を母国語のように話すのは無理だという人がいます。 それは本当でしょうか。私はそれは本当だと思っています。 なぜ13才なのかも説明できます。それは第2次性徴期が来るからです。 第2次性徴期になって性ホルモンが脳に作用し、 新しい言語を身につける能力は停止し、代わりに母国語を忘れなくなります。 言語が固定化されると考える事もできます。 男子の方が女子より影響がでます。

私はこれを人間に備わった機能だと考えています。 第2次性徴期を迎えるという事は、親になることが可能になった訳です。 母国語を忘れてしまったのでは子に言葉を教えられない事になります。 それで、言語が固定化するのです。

それを裏付ける証拠がありますか?

「言語の生物学的基礎」という本に交通事故や脳腫瘍などで左脳に損傷を受けた人の言語能力の快復に関して資料があります。 快復のしかたが大人と子供では決定的に異なっています。 10才以下の子供では失われた左脳の言語機能の代わりに右脳に言語機能を新たに獲得します。 その結果、話をする事が出来るようになります。 大人の場合は損傷を受けたら障害が残ります。 快復したとしても、それは左脳の機能が幾らか快復するにつれ、 残った言語機能がどうにか使えるようになるという性格のものです。 右脳に新たに言語機能を獲得する事はできません。 これほど決定的な違いが障害を受けたのが何歳の時かという、 数年の差で出る理由は私には1つしか考えつきませんでした。 それが第2次性徴期だったのです。

「能力が停止」とはどういう意味ですか?

脳細胞は生まれたときに数はすべて揃っています。 増える事はありません。 (脳をいかに使うかは各人の努力次第ですが)男の子の脳は元々は女の子の脳と一緒ですが、 胎内にいるうちに男性ホルモンにさらされて月経周期をつかさどる部分が機能しなくなります。 それは不要だからです。 ですから、生まれた後で脳が機能的に変化するとしたら、 使えていた機能が使えなくなるようにしかならないのだと私は考えています。

女子と男子では差がありますか?

小さい子の場合、女の子の方が早く話をするようになります。 また中学・高校で英語の成績を比べると一般に女子は男子より成績が良く、 数学では逆になるとされています。 確かに差はあるようですが、それは「平均すれば」の話であり、 個人差の方が大きいでしょう。 例えば私は数学と物理は悲惨な成績でよく補習を受けさせられましたが、 英語は割に出来ました。 また私のクラスでは女子は真面目だったので英語も数学も平均点では男子を上回っていました。

では、もう私の年齢では英語は望み薄なのでしょうか?

英語が母国として日本語に置き換わる事はないかもしれません。 外国語として学ぶ事になるでしょう。 また、責任を多く持つ年齢になってくると幼児のように1日中、 言葉を勉強する訳にはいかなくなります。 私も偉そうな事は言えませんが「昔やっておけばよかった」と後悔ばかりして全然勉強しないなら、 たしかに出来るようにはならないでしょう。 できる今やるべきです。また学ぶのに遅すぎるという事は無いでしょう。 もしある人が1日2〜3時間の勉強を2〜3年続けて、 なお使えるようにならないならば確かに英語には向いていないでしょう。 しかし日本語が普通に話せる人が「英語が上達しない」のであれば、 それは英語をやっていないからです。 今まで書いてきたような努力を続けているのだが、 上達しないという人には今まで会った事がありません。

それでは、頑張って。